匿名さん
元中日の早川実投手を知ってますか? 1975年 早川投手は、中継ぎ投手の人材不足から球団が熱心だった戦力。
特に低めにコントロールされたシンカーがすばらしく、プロでもすぐ通用すると各球団の評価も高かった。
ことしの都市対抗では一回戦で電電東京を完封。
カナダで聞かれた世界選手権(インターコンチネンタル)でもリリーフで活躍、先に社会人野球のベストナイン表彰を受けたばかり。
しかし、ノンプロの全日本制覇をねらう西濃運輸にとって早川投手は欠かせないエースとしてプロ入りを踏みとどまるよう強く慰留。
これには二番手の宮本好宣投手が同時に日本ハムに指名され(すでに入団決定)大幅な戦力減が懸念されたこともある。
球団側はドラフト会議(十一月十八日)直後に、同社へ本人と交渉したいむね了解を求めたが、こうしたいいきさつから正式に承諾が得られないままだった。
ところが早川投手は、プロ入りに踏み切るのは年齢的にこれが最後のチャンスだと決断。
すでにさる十日、会社へ辞表を提出。
田口利正野球部長らが再三にわたって説得したが、本人のプロ入りの情熱は動かなかった。
福岡工大時代は大学選手権に二度出場しているが一回戦で敗退。
また家庭の事情で中退したため中央球界では認められるのが遅かった。
西濃運輸入社後は徐々に力をつけ一昨年、昨年とエースで都市対抗に出場。
いずれも二回戦で敗れているが、ことしはカナダで開催の世界選手権に全日本代表として選ばれ、全部リリーフながら五試合に登板。
なかでも対カナダ戦、四回一死満塁のピンチに救援、以後九回まで零封して勝利投手になった。
四十八年、四十九年、五十年と三年連続で東海北陸地区の社会人ベストナイン。
ことしは初めて全日本のベストナインの栄誉にも輝いた。
落ちる球(シンカー)が主武器。