今では、限界を超えるエンジンも出てきていますけど、ガソリンエンジンの場合、燃焼室の一か所で点火して、その炎が燃え広がっていきます。
プラグ付近と周辺では燃え始める時間に差ができるわけです。
極端に言えば、爆発が始まってピストンが押し下げられ始めるのですけど、下死点まで行っても周辺はこれから燃え始める、なんていう事が考えられるわけです。
実際にそんなことは無いでしょうけどね。
経験的な意味もあったのでしょうけど、ガソリンエンジンの直径は10cm程度まで。
一つのシリンダでの排気量は500ccなんて言われていました。
そうすると、4気筒の限界は2000cc、6気筒の限界は3000ccと言う事になるわけです。
大体の車がそれに沿った仕様が多かったのです。
ただ、計算してみると、 (ボアもストロークも同じスクエアエンジンとします) 5×5×3.14×10=785ccとなります。
4気筒だと3,140cc、6気筒だと4710ccとなり、8気筒だと6280ccと言う事になります。
ただ(個人的な意見ですけど)、排気量の小さい車はトルクが細くエンジンの回転を上げる必要があって、爆発から下死点までの時間は短くなるはず。
したがって、限界はもっと低くなったと思います。
国産車では三菱がすたり音などで採用していた2600ccが最大と記憶していますし、最近ではスバルが2500ccのエンジンを出しています。
6気筒だと3500cc位までかな? 4000cc以上だとV8になっていると思います。
さて、アメリカの場合、長距離を故障無く走ることが求められたそうです。
砂漠のど真ん中でエンジンが止まってしまうと、死を意味することもあったとか。
現在でも工業製品の故障率は日本に比べれば高いはずですが、昔はもっと悪かったでしょう。
故障しないようにするには、大きなエンジンをゆったり回すのが一番と言う結論にたどり着いたのでしょう。
先ほど書いたように、エンジンの回転数が低ければ、時間差の問題も影響しにくいでしょうしね。
そこで8気筒となるのですが、さすがに長すぎて車としてのとりまわしも考えてV8になって行ったのでは? 逆に、どのドロドロと言う感じの排気音・エンジン音に魅力を感じてしまったのでしょうね。
それで、V8エンジンが深く愛されるようになったのでは? 当時のアメリカは、かなりの量の石油を産出していて、ガソリンが非常に安かったという理由もあるでしょう。