スバルやアウディ(A4以上)はFFメーカーではありますが、一般的なエンジン横置ではなく、縦置であることが特徴です。
乗用タイプのフルタイム4WDにアドバンテージがあるのは、プロペラシャフトをそのままリアドライブまで伸ばしてシンプルに本格的な四駆を作れてしまうからですね。
ならばFRベースの車両を4WDにするのも簡単では? と考えがちですが、こちらはそれなりに複雑です。
元々FR用に組まれたレイアウトなのに、フロントに駆動系を無理矢理引っ張っていきます。
同じエンジン縦置きなのに、スバルやアウディの四駆と何が違うのでしょう? ■ FRレイアウト 答えはエンジンの搭載位置にあります。
FR車は基本的に重たいエンジンをできる限り後方に搭載します。
よく聞く「フロントミッドシップ」は、エンジンの中心が前輪車軸よりも後ろにある状態。
これにより前:後の重量配分を50:50に近づけます。
マツダやBMWのFRモデルはその典型てすね。
スバルのBRZはフロントミッドシップではないのですが、インプレッサやレガシィ等のモデルよりも遥か後方にエンジンが搭載されています。
これにより前:後=53:47というFRとして理想的な重量配分となっています。
左右対称低重心でもあるのでよい素性です。
■ エンジン縦置4WD 一方、同じスバルでもインプレッサ等はフロントドライブを軽量コンバクトで効率的に駆動させるための構造になっています。
具体的にいうと、エンジンは前輪車軸より前に搭載されており、トランスミッションの辺りからドライブシャフトが出ています。
これが前輪をシンプルに駆動させる縦置エンジンの搭載方法で、アウディも同じくです。
しかしスバルは軽量小型低重心のボクサーユニットのお陰で、フロントヘビーのデメリットが出にくいという点で有利です。
4WD化を前提としている以上は、プラットフォームを共有化していることもあって、アウディもスバルもFF/4WD用のプラットフォームをFRに流用することはないと思います。
FRにすることはできても、FRとしてのメリットを発揮できないからです。
■ FRへの改造 しかしながら、やはりインプレッサWRXをFRにしたいという要望はありショップでFRキットが出ています。
実際にインプレッサなどはドリフト車両としても存在しており、D1車両でもチームオレンジでは、FR化したインプレッサで競技しています。
面白いのはランエボでも出場していますが、ランエボのエンジンを縦置にしてFR化しています。
以下の添付写真は上がBRZ(86)、下がスバルのシンメトリカルAWDです。
BRZは前輪よりもエンジンが前方には飛び出していませんが、シンメトリカルAWDは前輪よりもエンジンが大分飛び出していることをご確認いただけると思います。
その他ご不明な点がありましたら追加でご質問ください。