かなり昔ですが、 パワーウインドウが出始めの頃、 子供が亡くなる事故がありました。
パワーウインドウのスイッチがある部分に手をかけて 窓から顔を出した。
そのままウインドウがクローズ動作をし続けたからです。
このとき、 パワーウインドウのスイッチは シーソー式になっており 片方を押せば閉まり 反対側を押せば開く そういう仕組みなので このような事故原因となったわけですが このシーソー式は高級感があり、 当時の高級車を標榜していたクラウンやセドリックなどを中心に ユーザーに大変好まれましたから ほとんどのメーカーで使われていました。
しかしホンダだけそのような可能性を予見していたので 不人気で安っぽいと散々不評の中、 レバー式でした。
押すのではなく小さなレバーを上へ倒すと閉まり 下へ倒すと開く仕組みです。
初代ステップワゴンは 運転席と助手席以外の窓は開きません。
これはファミリーカーとして ミニバンブームの火付け役であり いかなる状況でも 子供の事故を一切起こさせないという配慮だからだそうです。
これはミニバンが広くお客に浸透する二代目ステップワゴン前期型まで実に10年弱ほど続きました。
ホンダって人命に関わることについては 端から見るよりものすごい保守的な時があります。
電動スライドドアってやっぱり 事故の可能性が今でもあります。
私もかつて先代ステップワゴンに乗ってましたが 確実にレバーを操作し 開けるという意図をハッキリさせないと 開かなかったりしましたね。
開くスピードも他メーカーに比べて 安全寄りだなーと思います。
車の先端が分かりやすくするコーナーポールの採用も ホンダは全メーカー最後です。
その昔、開発中の車に付けられていたコーナーポールを見て 即座に引きちぎったのは ホンダ創業者の本田宗一郎で、 もしこれで子供の目でも突いたらどうするんだと ものすごい剣幕だったそうです。
たしかにコーナーポールはちょうど子供の目線の高さくらいで 何らかの、その可能性は十分にあったからです。
今では、もはや 考えすぎではないかと思われるようなことでも そういう経緯を積み重ねてきた、 ある意味では良心的な、 ホントにバカ正直な、 そういうところもあるメーカーなのです。