現在のプラグインハイブリッドモデルは以下の3種があります。
【シリーズ型】 三菱Outlander PHEVやホンダAccord PlugInHybridがこれにあたります。
エンジンは発電に特化して、発電した電力でモーター走行します。
発電とモーター駆動でエネルギー変換することになるので、損失が発生します。
エンジンは発電に特化するためエンジン回転数は速度との関係を疎にする事で、エンジン回転数変化を抑える事でエンジン燃焼効率を向上させます。
エンジン燃焼効率向上が、発電・モーター駆動での損失を上回るので燃費が向上します。
一種のディーゼル機関車のような駆動構成となります。
原理的には古いのですが、高効率なモーターや発電機及び電力制御デバイスの進化で実現できるようになりました。
基本的に走行は電気自動車そのものです。
【パラレル型】 VW GTE,Audi A3 e-tron,BMW 330e,Mercedes C350eに採用されています。
欧州のプラグインハイブリッドモデルの殆どが採用しています。
エンジン出力とトランスミッションの間にモーターを配置し、それぞれを断続制御することで、モーター走行・エンジン出力を実現します。
モーターは発電と駆動の両方に利用されます。
発電と駆動は同時に行う必要は無いので、モーターは1つで実現できます。
そのため、モーター重量を抑えて効率的な動作が可能です。
ただし、切り替え制御に高い精度が必要となり、制御が良く無いと切り替えショック等の弊害があります。
完全に負荷が切り替わるので、無駄な負荷を省く効果もあります。
構造はシンプルですが、とにかく制御が難しいという点があります。
基本的にエンジン走行をモーターでアシストするか、モーターのみの走行となります。
【スプリット型】 トヨタの独自システム独自です。
エンジン出力をプラネタリーギヤを用いた動力分割機構で、駆動側と発電側へ動力を分配します。
発電側は発電機で発電した電力でモーター駆動します。
駆動側への動力は、モーター駆動と合成されて走行します。
発電機経由でモーターする経路は、シリーズ型に似ています。
駆動側はエンジン出力の一部で駆動するので、パラレル型に近くなります。
シリーズ型とパラレル型をミックスしたようなシステムです。
基本的に常にモーター駆動で、必要に応じてエンジン駆動が足される方式です。
ご質問のプリウスPHVの方式はこちらで、パラレル型ではありません。
ーーーーーーーーーーーーーーーー いずれも駆動用バッテリーに電荷容量があれば、電気自動車として走行します。
充電した電力で走行する事で、エンジン停止中はガソリンを使いませんから燃費が飛躍的に向上します。
今後の方向性は、電気自動車普及までのリリーフとしてレンジエクステンダが注目されます。
一種のシリーズ型ハイブリッドですが、エンジンは駆動用バッテリーの不足を補うだけで、極力小さくなります。
BMW i3や未発売のAudi A1 e-tronが採用しています。
BMW i3は647ccの直2気筒バイクエンジンを、Audi A1 e-tronは354ccロータリーエンジンを搭載しています。
高度な制御技術は、パラレル型が一番です。
燃費優先の最新技術は、シリーズ型となります。
パラレル型は古い技術でも実現できたところに価値があります。
20年前の技術でハイブリッド制御できるのですから、プラネタリーギヤの物理現象で容易な制御ができるとしても、当時の技術水準は高かったと思います。
(shinshazukiさんへ)