匿名さん
元阪神のブラウンスタイン投手を知ってますか? 1962年 一回表だけほうったブラウンの成績は打者八人に四つの四死球と二塁打二本。
三十八球ほうって3点とられるあいだに十九分かかった。
その間小雨は降りっぱなしで、ブラウン投手の初登板はさんざんのていたらくだった。
それでも帰りのバスの中での一問一答はなかなか愉快だった。
ー固くなった?「からだ中カチカチ。
バッド・デー・ネクスト・タイム(悪い日だった。
このつぎにやるよ」 ーどんな球をほうった?「ボールしかほうらない」ここでブラウン君はニヤリと笑った。
なかなかのユーモリストである。
でもそのすぐあとでまじめな表情にもどり、ストレートとシュート、カーブの三種類投げたとしゃべった。
ー調子は?「まだまだ。
ネクスト・タイム」 ーストライク・ゾーンはどうだった?「高目はあまりストライクにとらないが、低目はあまい」 そのあとであまりいいわけはしたくない、という意味のことを何回もしゃべっていた。
まじめな好青年といった感じだ。
近鉄のミケンズをひとまわり大きくしたようなからだをしているが、スピードはない。
スリークォーターから投げる球はいろいろと変化するが、コントロールはさっぱりだ。
二週間ばかり前にも甲子園でブラウンのピッチングを見たが、ベテラン捕手山本(哲)が閉口するほどの荒れ方だった。
一分間に一球ぐらいの割りで暴投がとび出す。
その間にも山本(哲)がやっととめるようなひどい球がいくつもあった。
梶岡ピッチング・コーチは「ボールの握り方も知らない」といっていたが、あらゆる面で投手になりきっていない感じだ。
足腰が弱いからピッチング・フォームそのものにも安定感がない。
りきみすぎてボールは高目に浮きっ放し、カーブはほとんど外角遠くにはずれていた。
ただ握りがいいかげんなためか、シュートがいろいろ変化するのがおもしろい。
無死一、二塁で王を三振にとったのもその球だし、長島を三ゴロにうちとったのもシュートだった。
長島を打席に迎えたときはとくにコチコチになったそうだが、いくらかたくなったといっても、一、二塁に走者がいるのにワインドアップでやすやすと重盗されたのはひどすぎた。
ブラウンの球を打った王も長島も「ボールが遅かった」といっていたが、長島は「まだでき上がっていないのでしょう」と同情的だった。
藤本監督も「テスト・ケースとして投げさせてみたがコンディションも悪かったし、もう一度チャンスを与えてどんな球を投げるかためしてみる」といっていた。
初登板、しかも一イニングだけのピッチングで評価するのも気の毒だが、今シーズンは大して期待できない。
マーク・ブラウン カリフォルニア大出身、1㍍88、90㌔、右投右打、背番号18。
二十二歳。