トヨタ自動車からの出向役員が、名古屋グランパスの監督交代"店長交代"を遅らせたというのは本当でしょうか? 名古屋がサッカークラブとして成熟できないのは、親会社のトヨタ自動車主導な部分が多いからでしょうか? ◆名古屋、小倉監督解任。相次ぐJリーグ監督クビ問題の「怪」と必然。 小宮良之|スポーツライター2016年8月23日12時0分配信 https://bylines.news.yahoo.co.jp/komiyayoshiyuki/20160823-00061413/ ◆名古屋、小倉監督解任は「店長交代」 そして、名古屋グランパスの小倉隆史監督の解任は深刻だろう。なぜ名古屋のようなビッグクラブが監督歴のない人物を招聘したのか? GMを兼任とは信じられなかった。理解に苦しむ人事で、彼らは戦う前から敗れていた。 名古屋は今月、マケドニア代表監督も務めたボスコ・ジュロブスキーがコーチとして着任。監督になる既定路線だったに違いない。「リスクヘッジ」と言えば聞こえはいいが、「店長交代」であって問題の本質転化に過ぎないだろう。小倉監督解任劇は、日本サッカーにおける監督のあり方を改めて問うべきものになっている。 「よりサッカーについての理解を深めたい」。そう言ってサッカー解説業にいそしむ人たちがいる。解説業自体はなにも悪ではない。しかし解説で指導者としてのスキルアップとは虫が良すぎる。 組織を束ね、決断し、一つの方向で戦わせる。そんな監督の仕事において、解説者として学べることなど皆無に等しい。欧州では、指導者と解説者は異なる道を行く。もちろん、指導者がスポット的に解説者契約を結ぶことはあるが、何年も現場を離れることはない。言わんや、解説業しかしなかった人間がトップクラブを指揮するなど噴飯もの。プロサッカーの低いレベルを喧伝するようなものだ。 「ジダンは監督業を冒涜している!」 スペインでも、指導者たちがこぞってジネディーヌ・ジダンを非難したことがあった。ジダンはレアル・マドリーのBチームで役職的にはコーチをしていたのだが、実質的には監督として働いていており、監督ライセンスがそのレベルを満たしていなかった。英雄だから、3部リーグだから、といって容赦はない。 「監督は監督として然るべき階段を踏め!」。プロの監督たちはそこを曲げない。そうした自負心が、監督の覚悟、監督の重要性にもつながっている。 その真理を弁えていたジョゼップ・グアルディオラ監督(マンチェスター・シティ)はバルサのBチームを昇格させる功績を残した上で、トップチームを率いた。今季からパリSGを率いるウナイ・エメリも3部のチームで経歴をスタート、マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョもコーチ経験を積み、ポルトガルの中堅クラブから抜擢された。リバプールのユルゲン・クロップも2部のクラブを昇格させ、注目された監督だ。 有能な監督は"監督としての歩み"を進めているが、実は欧州4大リーグの優勝監督もすべてこれに当てはまる。 スペイン王者バルサのルイス・エンリケはバルサBを昇格させ、セルタ、ローマを率いた後に、その任を受けている。ドイツ王者バイエルン・ミュンヘンを指揮することになったカルロ・アンチェロッティも、(2部の)セリエBで監督キャリアを始めた。イングランド王者レスターのクラウディオ・ラニエリも(3部の)セリエCから、イタリア王者のユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリも(4部の)セリエC2が出発点だった。 かつて最強を究めたACミランが急速に弱体化した理由は逆説的だろう。ここ数年、ミランはレオナルド、クラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギ、クリスティアン・ブロッキなど監督経験のない人物(あってもユースで1年程度で、プロチームは率いていない)を監督に招聘してきた。いわゆる人気人事。過去にミランで活躍した「レジェンド」と期待する人もいたが、プロの世界は甘くはない。 優秀な監督には、まず監督を評価する眼力が必要だろう。強化責任者が蒙昧なら、いい監督が生まれるはずはない。割を食うのは選手たちである。 お粗末な監督解任劇。 それは行き着くところ、選んだ人間の不始末なのだ。