現在の軽自動車より車体も排気量も小さかった当時の軽自動車規格内において、各社からクーペモデルが次々と投入される中、スズキからは3代目フロンテ(フロンテ71W)ベースの派生モデルとして『ふたりだけのクーペ』の宣伝フレーズでフロンテクーペが登場した。
デザインはジョルジェット・ジウジアーロによるスケッチをベースにスズキ社内で完成させたものである。
限られたサイズの中で見事に完成されたその美しいスタイリングは、ノーズを低く構え、フロントガラスを深く傾斜させ、三角窓のないスタイルとすることにより全体的に伸びやかなデザインとなり、車高も1,200mm(グレードにより1,190mm)と当時の軽自動車の中では最も低かった。
一方インテリアではチルト式ステアリングが採用され、ステアリングポストが体型に合わせて57mmまで調節可能となった他、シートも当時としては本格的なバケットタイプのシートが採用され、運転席、助手席共に前後スライド調整が出来た。
また、メーターには独立単眼式の6連メーターが装備され、右から順に、燃料計、速度計、回転計、水温計、電流計、時計と並んだ。
時計はラリー等のスポーツ走行にも使用可能としたタイマーブザー付きで、最上級のGXには室内温度計、ムードランプ付きのオーバーヘッドコンソールが天井に装備された。
また、デビュー当初は2シーターのみのラインナップであったが、市場の要望により後にリヤシートを追加した2+2が登場し、2シーターモデルはその後カタログから消滅した。
心臓部となるエンジンは水冷2ストローク直列3気筒のLC10W型を搭載。
これに3連キャブが装着され、僅か356ccの排気量から37馬力(後期型は35馬力)を発生した。
これをリアに搭載しRR駆動とする事で前後重量配分は39.5対60.5、ゼロヨン加速は19秒47という俊足ぶりを発揮した。
またオプションパーツとして競技用のパーツも多数用意され、横転時に乗員を保護するためのロールバーや、サポート機能をより強化したスポーツバケットシート(フルバケットシート)、3点式シートベルト(標準は2点式)、レーシングカーと同タイプのレザーステアリング、ヒール&トゥが容易に行える形のスポーツペダル等を選択出来た。
軽自動車では最初のスポーツカーと言える[1]。
販売期間 1971年9月 – 1976年6月(生産終了) デザイン 原案 イタルデザイン・ジウジアーロ 最終 スズキ社内 乗車定員 2 / 4人 ボディタイプ 2ドアクーペ エンジン LC10W型 0.356L 2ストローク 直列3気筒 3キャブレター 最高出力 37ps/6,500rpm(グロス値) 最大トルク 4.2kgm/4,500rpm(グロス値) 変速機 4速MT 駆動方式 RR サスペンション 前:W型ウィッシュボーンコイル 後:セミトレーリングアームコイル 全長 2,995mm 全幅 1,295mm 全高 1,200mm ホイールベース 2,010mm 車両重量 480kg データモデル GX 4速MT 1971年式 後継 スズキ・セルボ(初代) 年表[編集] 1971年9月 - 発売。
当初は2シーターのみの設定。
フロントフェンダーボンネットにFRPが使われていた。
37psユニットのみ搭載。
1972年2月 - 4人乗りの2+2・GXFを追加。
1972年3月 - 34ps廉価ユニットのGXDF、34ps仕様のGX-PF追加。
1972年6月 - 31psユニットを搭載する最廉価版のGAFと前輪ディスクブレーキ、タンデムブレーキマスターシリンダーを装備した最上級のGXCFを追加。
1972年10月 - 2シーターを廃止。
1974年5月 - 37psユニットが35psにダウン、ラインナップが縮小される。
翌年に黄色ナンバーが制定するのを受けて、それに対応するようにした。
1976年6月 - 生産終了。
翌年10月に新軽自動車規格にあわせた後継車のセルボが登場。
1991年10月 - 「愛車に生まれ故郷を見せてやろう」を謳い文句に発売20周年を祝うイベントが社名変更後のスズキ本社で行われ、17台が集まった。
https://ja.wikipedia.org より。