まずは純正スペックのご確認から・・・ ■ レガシィB4(BN) GT DIT 純正スペック ・18×7.5J+55 ・PCD100×5穴 ・車体側センターハブ径 56.0mm ・ホイール側ハブ穴内径 56.1mm ・225/45R18 91W ノーマル車高のままではツライチまで約10mmです。
5cm程ローダウンして20mm前後ツラ出しできます。
ツラ出しの正規の方法は純正ホイールのインセット(55mm)をあまり変えずに、リム幅を拡大することでツラ出しをします。
例えば20mm程度ツラ出しすると・・・ 純正:7.5J+55 候補:8.5J+48 概ね8.5J+45~+52と言われていますが、このあたりになってくると現車合わせで1台1台計測していきます。
車高によってフェンダーのツメ折りが必要な場合もあります。
以下、ツラ出しの方法についてガッツリご説明します。
■ ツラ出しの順序 順番としては、最初にローダウンをしてからホイールスペックを決めます。
レガシィは四輪独立サスペンションなので、車高を落とすとネガティブキャンバー(車両を前後からみてタイヤがハの字)が強くなるので、車輪が奥に引っ込んでしまいます。
なので・・・ 1.車高と落とす 2.ツラまでの距離を計測する 3.ホイールスペックを決める ・・・という順番で行います。
順序を間違えるとハミ出したり、邪道なスペーサーを利用する羽目にあい敗北感を味わうことになります。
安くない買い物ですので失敗しないためにはこの順序でセッティングしてください。
■ 計測方法 計測の方法ですが、30cmぐらいの細いヒモに5円玉を括り付けたものを用意します。
クルマを平らな場所に停めて、フェンダーにヒモを当てながらタイヤとホイールの最も出っ張った部分からフェンダーまでの距離を測ります。
その距離がツラ出しできる寸法なのですが、フェンダーの頂点から計測しても意味がありません。
計測範囲の図を添付しますのでご参照ください。
30度と50度の位置でマスキングテープ等で、ヒモをフェンダーに張り付けると測りやすいです。
■ リム幅 車両を前後方向から見たときのホイールの厚みがリム幅です。
リム幅はインチ表示で1インチ=25.4mmで計算します。
質問者様の車両の7.5インチというのは190.05mm(7.5×25.4mm)のリム幅です。
7.5Jや7.5JJと記す「J」や「JJ」は、フランジ(ホイールの外周部分)の形の名称のことで、リム幅には関係ありませんが、以下、便宜上7.5Jという表記を利用します。
インセットについては後に説明しますが、まず、純正と同じインセット(55mm)のままリム幅だけを拡大したときの外側と内側の出っ張り寸法を記載していきます。
単位はmmです。
(7.5J+55=リム幅7.5インチ、インセット55mmという意味) 7.5J+55 リム幅±0/外±0/内±0(基準値) 8.0J+55 リム幅+12.7/外+6.35/内+6.35 8.5J+55 リム幅+25.4/外+12.7/内+12.7 9.0J+55 リム幅+38.1/外+19.05/内+19.05 9.5J+55 リム幅+50.8/外+25.4/内+25.4 インセットが同じであれば、拡大したリム幅の1/2ずつ外側にも内側にも出っ張ります。
例えば、7.5J+55から8.5J+55に交換した場合は、ホイールは外側にも内側にも12.7mmずつ出っ張ります。
この外側に出っ張らせることを「ツラ出し」といい、フェンダーからハミ出さないギリギリまで出っ張らせることを「ツライチ」と表現します。
■ インセット リム幅の中心位置にハブ取付面がある状態が「ゼロセット」(インセット=0mm)、ハブ取付面がリム幅の中心位置より外側にある状態を「インセット」といいます。
逆に内側にある状態を「アウトセット」と表現します。
インセット55mmというのは、ハブ取付面がホイールの中心より外側55mmの位置にある状態です。
このインセットの値が小さくなるほどツラ出しできます。
例えば7.5J+55から7.5J+45に交換した場合、ホイール全体が10mm外側に移動します。
当然ツラ出しも10mmとなります。
しかし、インセットの値をあまり小さくすると、サスペンションが正常に働かなくなります。
純正ホイールのインセットを基準にサスペンションが設計されているためです。
インセットは変更しても10mm程度が許容範囲で、できれば6mm以内の変更に留めたいです。
昔はインセット20mm台のクルマも多かったのですが、最近ではインセット40mm以上の車両が普通です。
その方がサスペンションの剛性や可動性を高めやすく、いい脚を作りやすいのです。
なのに素人ユーザー勝手に見栄えのためにインセットを小さくしてしまうと、折角のいい脚がきちんといい動きをできなくなるのです。
ちなみにスペーサーを挟むとインセットが小さくなったのと同じ働きをします。
例えば、7.5J+55に20mmのスペーサーを装着すると、一気に7.5J+35になるので足回りに良い影響はありません。
さらにハブ剛性も落ちるのでスペーサーは忌み嫌われることが多いです。
■リム幅+インセット 上記のことから、正規のツラ出しは、インセットをあまり変えずにリム幅を拡大する方法をとります。
リム幅を広げていくと、内側もサスペンション等に干渉するため注意が必要です。
例えば、ホイールを約20mmツラ出ししたい場合は、以下のようなパターンとなります。
例)純正7.5J+55の状態から20mmツラ出しする場合 7.5J+35 → × インセットが20mmも狂うのでNG 8.5J+48 リム幅25.4/外+19.7/内+5.7 8.5J+47 リム幅25.4/外+20.5/内+4.9 9.0J+55 リム幅38.1/外+19.05/内+19.05 9.0J+54 リム幅38.1/外+20.05/内+18.05 車両のバランス的には9.0J+55が理想のように思いますが、実際には内側も20mm近く出っ張るのでサスペンションなどに当たってしまう恐れがあります。
ツラ出しの計算としては、7.5J+55から8.5J+55に交換するとリム幅は25.4mm拡大し、外側にも内側にも12.7mmずつ出っ張ります。
ここからさらに8.5J+48とした場合は、インセットが7mm小さくなり、ホイール全体が7mm外側に出ます。
結果、外側に19.7mm、内側に5.7mm出っ張ることになります。
リム幅8.5インチでは、8.5J+45あたりがインセット限界値です。
この場合はインセットが10mm小さくなり、ホイール全体が10mm外側に出ます。
結果、外側に22.7mm、内側に2.7mm出っ張ることになります。
■ ホイール&タイヤ選びの注意点 車検では車載メーターが40km/hの時に、実速度が概ねー20~+6%の範囲内の誤差に収まっている必要があります。
純正タイヤにも誤差があるので±3%以内に留めておくとディーラー対応も含めて安心です。
下記サイズいずれも車検対応です。
<純正との外径差> 225/45R18 660mm ±0% 225/40R19 663mm +0.5% 235/40R19 671mm +1.7% 245/40R19 679mm +2.8% 245/35R19 654mm -0.9% 235/35R20 673mm +1.8% 245/30R20 655mm -0.75% 255/30R20 661mm +0.2% ホイールのリム幅に適合したタイヤ幅を選びます。
<適合リム> 225/45R18 7.0-8.5 225/40R19 7.5-9.0 235/40R19 8.0-9.0 245/40R19 8.0-9.5 245/35R19 8.0-9.5 235/35R20 8.0-9.5 245/30R20 8.0-9.0 255/30R20 8.5-9.5 タイヤは耐荷重性能も適合している必要があります。
耐荷重性能はロードインデックスで示されますが、インチアップするとタイヤ内の空気量が減るためロードインデックスが下がります。
空気圧を高めて耐荷重性能を補いますが、高い空気圧に耐えられる設計をした「エクストラロードタイヤ」(=レインフォースドタイヤ)というものがあり、タイヤサイズの末尾にXLが付きます。
以下のXLといているのがそれです。
<ロードインデックス> 225/45R18 91/95XL 225/40R19 89/93XL 235/40R19 92XL 245/40R19 94/98XL 245/35R19 89/93XL 235/35R20 95XL 245/30R20 90XL 255/30R20 92XL <注意点> レガシィの四駆は四輪ともに同銘柄、同サイズのタイヤを選ぶ必要があり、かつ摩耗した場合は四輪同時に新品交換する必要があります。
というのは前後輪に回転差があると長距離走行でデフ類が過熱していき、最悪の場合車両炎上に発展します。
結構事例多いので要注意です。
同じサイズでもタイヤ銘柄が異なると外径が異なります。
また、同じタイヤサイズで、フロントに7.5インチ、リアに8.5インチのリム幅に装着するのもNGです。
リアはリム幅が広い分、横に引っ張られて外径が小さくなるからです。
■ 安全のために 社外ホイール装着時には、必ず「ハブリング」を装着します。
未だにハブリング不要と言っている人がいますが一切無視してください。
車体のハブの中心に小さな円形の出っ張りがありますが、これが「センターハブ」です。
センターハブ径が56.0mmの凸の場合、純正ホイールの裏中心には内径56.1mmのハブ穴(凹)が空いています。
この凸凹が噛み合うことでホイールセンターを合わせるだけでなく、路面の衝撃からハブボルトの折損を防ぐストッパーとなります。
センターハブがある理由を知らない人が多いのも事実で、その機能を無視した事例が数多く出ているのでお気を付けください。
社外ホイールはハブ穴の内径73.1mmのものが多く、そのまま装着すると穴がブカブカで噛み合わないのでハブなしと同じ危険な状態です。
なのでその隙間を埋めるハブリングが必須となります。
先ほどの例のセンターハブ径56.0mm、ホイールのハブ穴73.1mmの場合は「73/56」というサイズのハブリングになります。
1枚500円(4輪で2000円)程度から買える安いものですので、躊躇なく取り付けてください。
社外ホイールはテーパーナットを使用していることもあり、ハブリングなんかなくてもホイールセンターは出ます。
そのまま走れてしまうのでハブリングなしでも大丈夫と誤解するのですが、それはハブボルトの安全マージンに助けられているにすぎません。
長くなり失礼いたました。
ごく一部しか説明していませんが、これだけの説明が必要になります。
ツライチセッティングをするのであれば、ご自身でネットで注文するよりも、ショップできちんとやっていただいた方がよいかもしれません。
高い買い物ですので失敗できないですものね。
是非、ベストな選択を楽しんでください!