視界ゼロ！赤旗2回でレース終了、雨中のサバイバル戦を制したのは？ | 2025 スーパーフォーミュラ第9戦富士決勝ハイライト

記録的な豪雨と濃霧に見舞われたスーパーフォーミュラ第9戦富士。2度の赤旗の末にレースは早期終了となる大波乱。サバイバルレースを制した勝者と、衝撃の結末を振り返ります。

再生されない場合は、リンク先で再生してください🙇‍♂️

コースは川と化し、視界は数メートル先すら覚束ない—。2025年スーパーフォーミュラ第9戦の決勝は、近年稀に見る過酷なウェットコンディションで行われました。これは単なるレースではなく、ドライバーたちが自然の猛威に立ち向かう"サバイバル戦"。2度にわたる赤旗の末に下された衝撃の結末まで、息を呑む展開の全てを振り返ります。
【レースのハイライト解説】
セーフティーカー先導で幕を開けた、視界ゼロの戦い
予選から降り続いた雨は決勝でも止むことはなく、レースはセーフティーカー(SC)先導でスタート。ハロウィン仕様の特別なカラーリングが施されたSCの後ろで、各車は視界の悪さと格闘します。岩佐歩夢選手から「コース上に川ができている」と無線が入るなど、序盤から極めて危険なコンディションであることが伺えました。
「前が全く見えない！」ドライバーたちの悲痛な叫び
周回を重ねても状況は好転せず、ドライバーからは悲痛な叫びがチームに届きます。
「加速しようとすると、何も前が見えない」と牧野任祐選手。ポールポジションからスタートしたサッシャ・フェネストラズ選手でさえ「全然見えない」「大きな川があって、本当に危険だ」と訴えるほど、視界は絶望的でした。水しぶきで前が見えない状況は、まさに極限の度胸試し。6周目、ついに1度目の赤旗が提示され、レースは中断となります。
2度の赤旗、そして非情の決断
天候の回復を待ってレースは再開されますが、雨は弱まるどころか、今度は霧が発生し始めます。イゴール・フラガ選手から「霧が出てきて視界がどんどん悪くなっている」との報告が上がる中、14周目に2度目の赤旗が。
そして、これ以上のレース続行は不可能と判断され、セッションは再開されることなく、このままレース終了が決定。大荒れのレースは、あまりにも早い幕切れを迎えました。
【公式レース結果】
規定周回数の75%を消化していないため、このレースのポイントはハーフポイントとなります。赤旗中断時点の順位に基づき、VANTELIN TEAM TOM'Sのサッシャ・フェネストラズが優勝を飾りました。
2025 スーパーフォーミュラ第9戦富士スピードウェイ決勝結果 (トップ10)
Sacha FENESTRAZ (VANTELIN TEAM TOM'S)
Sho TSUBOI (VANTELIN TEAM TOM'S)
Tomoki NOJIRI (TEAM MUGEN)
Tadasuke MAKINO (DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
Ren SATO (PONOS NAKAJIMA RACING)
Toshiki OYU (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
Kakunoshin OHTA (DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
Igor OMURA FRAGA (PONOS NAKAJIMA RACING)
Sena SAKAGUCHI (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
Kenta YAMASHITA (KONDO RACING)
【まとめ】
誰がこの結末を予想できたでしょうか。優勝したサッシャ・フェネストラズ選手と、2位に入りチームに1-2フィニッシュをもたらした坪井翔選手、そして表彰台を獲得した野尻智紀選手、本当におめでとうございます。
何よりも、視界ゼロという恐怖の中で走り続けた全ドライバーの勇気と技術に最大の賛辞を贈りたいと思います。レースが途中で終わってしまったことは残念ですが、安全を最優先したレースコントロールの判断は支持されるべきでしょう。ハーフポイントとなったことで、今後のチャンピオンシップ争いはさらに混沌とすること間違いなしです。次戦こそは、晴天の下での熱いバトルを期待しましょう！