メリット、デメリットだけで大相撲の懸賞を見ると物足らなさを感じて当然です。
懸賞をかけると言う行為は、企業CMと言うよりご祝儀の色合いが濃いのです。
詳しくは以下の通りです。
これが民放で、電通あたりがしゃしゃり出て、懸賞とCM,プロモーションを抱き合わせにした話になりますと、懸賞金1つで60,000円一場所300,000円以上の申込と言う安価では済まなくなります。
この金額設定は懸賞金は「CM」と言うより「ご祝儀」の色合いが濃いからなのです。
ですから、懸賞金の殆どは力士(税金の支払を含む)に還元されていて、相撲協会の取分は事務経費程度に留められています。
懸賞を詳しく説明しますと、元々溜席に陣取る金持ちの旦那衆が、自分の贔屓する力士が勝った時に「投げ入れ」と称して、羽織、煙草入れ、扇子などを土俵に投げ入れます。
これを呼出しが改修して持ち主に返します。
この時に祝儀を受け取って、土俵下で水を付けている勝ち力士に渡されると言う仕組みでした。
明治に旧両国国技館が開館されて、相撲協会の近代化が進みますと、投げ入れは見苦しいとの事から、懸賞金と言うシステムを導入したのです。
この時に旦那衆はそれならと、営む屋号と生業を懸賞旗に染め込んだわけです。
投げ入れは、贔屓力士が勝った時のみ出すもので、金額も旦那の懐具合で変動しましたし、もっと懐具体が悪ければ行かなければ良い分けで当然「投げ入れ=ご祝儀」など出さなくて済みます。
しかしながら懸賞の場合は勝敗に係わりなく、場所の期間中一定額を支払う事になりますので、商いにもそれなりの規模が要求されます。
この様な事から次第に商店主から大手企業がこれに取って替わった懸賞は、企業CMの側面をも合わせ持つ様になりました。
近代化により投げ入れは無くなりましたが、今でも時折、幕下以下の勝ち力士に、ご贔屓さんがポチ袋を渡しているのを見かけたりします。