いすゞの前身は東京石川島造船所(現在のIHI)と東京瓦斯電気工業(東京ガスの機械部門で、現在の森精機ハイテック、日野自動車、ハクスバーナゼノアの前身でもある)が共同で自動車の研究開発を始めたところから始まります。
昭和8年に、当時の商工省(現在の経産省にあたるのかな)主導で標準型トラックが定められ、これに応じて鉄道省と共同で開発したトラックに伊勢神宮を流れる五十鈴川から「いすゞ」と命名したのが社名の興りです。
特徴として、開発生産がトラックに特化しており(バスは日野自動車との合弁会社Jバスに委託している)、かつては米GM傘下だった時代もありましたが、今は独立系となっていますので機構やデザインでしがらみのない作りができます。
(トヨタがそこそこの株を持っていますが、経営に影響を与えるほどではありません) 強みとしては徹底的なユニット設計があげられます。
例えば運転台周りが全てユニットの組み合わせで、幅が5ナンバー乗用車と同じ小型トラックから海外仕様の大型トラックまで共通部品の組み合わせで作られていますのでコストが低いです。
また、エンジン単体で他社への外販もあり、建機、発電、船などにもエンジンが採用されています。
開発費のかかるエンジンを、トラック以外にも載せることで1基あたりの費用が下がります。
北米はもちろん、中国への展開も早くから行っており、中国では警察業務など信頼性が必要なのでローカルメーカーのあやしい小型トラックではなくきちんとした小型トラックが欲しいとなると必ずいすゞが使われるくらい浸透しています。
この先当面、途上国では大口は鉄道大量輸送からトラックによる個別輸送へ、農家や零細工業の出荷等は牛から小型トラックへという流れが起こります。
その時に欧米の競合他社に対し信頼性と値段の両面で優位性があると思われます。