お疲れ様です。
ミスター高圧ガスと申します。
この疑問は、質問者さんと同様に、私もかねがね疑問に思っていました。
しかしながら、その理由はよくわかりません。
結論としては、トヨタ自動車の読み間違えとしか説明が出来ないと思われます。
以下順に説明します。
次世代自動車の、最右翼はFCV(燃料電池車)とEV(電気自動車)に分かれることは言うまでもありません。
EVに関しては、構造が非常にシンプルですので、基本的な動作は、小学生の夏休みの自由研究で出来るような「①電池」「②モータ」+既存の自動車技術という組み合わせとなります。
こうなると、技術的には非常に容易になってくるので、今まで自動車を作ったことのない会社も参入してくることが予想されます。
ただし、現時点ではバッテリーの技術が十分ではないので、 (1)走行距離の短さ (2)充電時間の長さ という二つの大きな問題がまだまだ解決できていないので、EVは市販はされているものの、使用エリアは限定的です。
これに対してFCVに関しては、技術的には複雑であり、研究しているところが少なかったので、技術を先取りして特許を押さえれば他社が追従できないので、こちらの開発を優先したのではないだろうかと推測されます。
この考えは間違っていないのですが、自動車は燃料がないと走ることが出来ないということをすっかり忘れていたのでは無いかと思います。
私の推測が正しければここが大きな読み間違えです。
トヨタ自動車は自動車を作ることは従来からやっていますが、ガソリンや軽油などの自動車燃料は、JX日鉱日石エネルギー、出光興産、昭和シェル石油、コスモ石油、エクソンモービルなど石油メジャーが担当してきました。
既存のガソリンスタンドは建設コストが1億円程度ですが、水素ステーションは4~5億円ほどかかります。
国や都道府県の補助金で事業者の持ち出しは、見かけほどは多くありませんが、とはいえ1箇所建設するにも高圧ガス保安法の製造許可を受け、さらに完成検査まで行う必要があるので、1年程度の時間を要するのは珍しくありません。
全国で約30,000軒とも言われているガソリンスタンドに比べ、水素ステーションは僅かに50箇所程度。
単純に1都道府県で年間で5箇所ずつ建設しても、1年間で250箇所程度。
ガソリンスタンドレベルには120年かかる計算になります。
車を作ってもインフラが整備されなければ、燃料を入れるところがないのですから車は当然売れません。
私が想像したトヨタ自動車の読み間違え正しいという証明として (1)トヨタ自動車が燃料電池に関する特許を開放した (2)トヨタ自動車がインフラの整備に自ら乗り出した という事実があります。
自動車がどれだけ優秀でも、燃料がなければただの鉄くずです。
以上のことから、トヨタ自動車が燃料電池車に力を入れたのは、大きな読み間違えではないかと推測されることは間違いないかと思います。
冷静に考えれば、1軒5億円もかかる水素ステーションが、補助金無しでとてつもない田舎に次から次へと作っても採算が合わないのは目に見えています。
なお、水素ステーションをたくさん作れば、量産コストで価格が下がると思っているかもしれませんが、水素の通る部分については水素脆化の影響があるので、使用できる材料に制限があり、これが高コストの一因になっています。
大幅なコストダウンが難しいので、水素ステーションが次から次へと出来ることは考えにくいと思われます。