元国鉄の村田元一投手を知ってますか? 1961年 マウンドをおりた村田はまるでプールからあがったようだ。報道陣が「たいへんだったね、この暑さで・・・」と声をかけると村田はケロリとしていった。「いい気分ですよ。顔の汗ですか?暑さは気になりません。だいたい暑い方がいいんですよ。夏バテもしませんし、夏やせもしません。だからぼくとしてはかせぎどきはシーズンはじめよりむしろ暑くなってからです」とひととは正反対なことをいった。そしてしわくちゃのタオルをポケットからとり出して汗をふいた。「はじめからリリーフを予定されていたんです。四回ごろから出るつもりでいろと監督さんからいわれていたので、二回からピッチングをやっていました。田所さんの調子がよかったのでウオームアップは十分できました。それがよかったようです。シュートがきまりましたね。それに平岩さんのサインがすべて強気だったのも成功の理由だと思います。今夜の勝ち星は平岩さんと半分半分ですよ」しきりに先輩の田所と平岩に感謝していた。村田は二十二日にもリリーフで阪神に勝っている。これで八月五日以来阪神から3勝を記録した。藤村富美男氏は「村田の外角球は実によくのびていた。それにコントロールがあった。外角球もよかったが、それよりもシュートの切れがすばらしかった。村田のシュートは打者の手もとで急に大きく変化するのでいくらねらっていてもかんたんには打てない。阪神は結局その球にひっかかっていた。その村田のよさを十分に発揮させた平岩の好リードも見のがせない」といっていた。