缶スプレーの艶消し黒は、色の中でも塗り易いよね。
大抵、誰が塗ってもそこそこの仕上がりになる。
しかし、塗装というのは 結構 きちんと下地をしないと 良い仕上がりにはならない。
メーカーエンブレムのステッカーを貼った部分のちょっとした段差、それですら 上から塗装したら…見事なほど、それが浮き上がってきてしまう。
だからガソリンタンクなどは本当の事をいえば「スケルトン」(ホームセンターで売っている剥離剤は全然、剥離能力が低いから良く無いよ) などの塗装剥離剤を使って、元の塗装はシールごと、全部剥いでしまってから塗装するのが一番良いんだが… 金があまり無いという事なので…もしタンクを指で触って段差を感じるほど、ステッカー部の盛り上がりがあるなら…240番とかの荒い水ペーパーも必要だよ。
通常、現在の塗装面が綺麗で完全フラットなら、上塗り塗料の密着度を上げる意味での足付けは800番程度で良いんだが、段差を消そうとしたら、そんな細かいペーパーでは幾ら擦っても、疲れるばかりでラチがあかない。
240番でステッカーの上を擦ったら、次は400番で荒いペーパー目が出来たものを消す意味で擦る。
それが済んだら800番で全体を擦ったら良いだろう。
書き忘れたが、水ペーパーを使う時はバケツに必ず台所洗剤でも垂らして、少し泡立ててやるように、ペーパーの目詰まりが無くなり各段に作業がはかどるから。
マットブラックにコンパウンドなんか必要無い。
艶消し黒は表面をザラザラにして光を反射しないから、あのように艶が無いんで、そこにコンパウンドなんか使ったら、 凹部にコンパウンドが入って白くなって取れないよ。
ペーパーはおっちゃんが言うのを頑なに守る必要は無いよ。
ホームセンターに行ったら、代表的な物しか置いてないから…その前後の番手であれば、一向に構わないよ。
本数はガソリンタンクだけなら2本 あれば十分だと思うがなあ。
サイドカバーも塗るなら 用心のために3本 あれば絶対だろう。
艶消しクリアーはすまん。
おっちゃんこの効能は使ったことが無いので知識が無い。
実はおっちゃん、マットブラックと言えば 昨年の10月に友達の車を、それで塗ってあげたことがあるんだ。
最近、ランボルギーニのアベンタドールなんかが、新車でマットブラックがあるし…日本でもドレスアップ・コンテストなんかで多少の流行りなんで… 面白くしようと思って…それに塗りましょうと薦めて(おっちゃんが塗るから、オーナーは嫌と言えない) 車はスウェーデンの「サーブ・クラシック900」という車だが…元々は色が剥げてしまって屋根もボンネット・トランクの上は真っ白けになっていた。
塗って、約1年が過ぎたが…今も非常に綺麗だよ。
艶消しクリアーというのは塗っていない。
あっ肝心なことを書き忘れてる。
おっちゃん いつも塗装のアドバイスとしては、缶スプレーは最初の3回くらいは 薄く薄~く塗れと言ってるんだ。
一回目の塗りで全部、黒色にしてしまう姿勢ではダメだ。
少し缶を離れた所からふわ~と吹いて下地が丸見え程度で良い(ネットで砂吹きとか捨て吹きというのを検索してみるように)それを吹いたら、5分休憩を入れ、吹いたら5分休憩のインターバルで行く。
一度に厚くぬると塗料がなかなか乾かない状態になって、却って作業が遅くなるし仕上がりが悪くなる。
それとガンは左右に常に動かして、一カ所に手を止めて吹かないように気をつけよう。
塗料が垂れる原因になる。
ガンを離した吹き方で全体が濡れたら、次は少しガンを近づけて、塗料の厚みを確保する。
ガンを近づけたぶん、塗料が垂れ易くなるから手を止めないように。
これでバッチリの仕上がりになると思うよ。
君に金の余裕があるなら最初にペーパーで擦った後、本塗りの前にプラサフを塗れば塗料の密着度が上がるんだが…まあ、しっかりペーパーで足付けが出来ていれば、サフは無しでも 後で黒が剥がれることは無い。
もしもサフを塗ったら…同じ日に黒を塗るのはやめよう。
翌日まで乾燥させること。
そしてサフが乾いたら また全体をペーパー掛けしなければいけない。
しかし…タンクを黒一色で塗ったら のっぺら坊主と同じで、しまりがなくなるぞ~。
だから、おっちゃん この間塗ったエストレアのタンクには、塗装でカワサキのロゴを入れたよ。
手間は掛かるけどね。