匿名さん
元西鉄の村山泰延投手を知ってますか? 1959年 肩の故障も完治し、開幕当初から張り切っていたが、ひとつの壁にぶつかった感じで伸び悩み、公式戦には四月二十四日の対大毎戦にわずか一度登板しただけである。
その村山が、このほどフォームを変えて新しくスタートしようとして注目を引いている。
すなわち従来のスリークォーターだったのを、アンダースローに切替え、南海の杉浦ばりのピッチングをしようとしているわけだ。
二十三日午後平和台で行われた対阪急二軍戦に先発し、敗戦投手にこそなったが、すでにこれまでに見られなかった独特の球質が見られ、このフォームを完全に自分のものにしたときの村山には、相当の期待がかけられるのではなかろうか。
下手投げに変えて出直そうとする村山投手に動機、抱負などを聞いてみよう。
ーフォームを変えたのはいつごろから? 村山 たしか今月の六日だったと思う。
南海戦が終ったときからです。
下から投げはじめて十八日ぐらいになりますかね・・・。
ー動機は? 村山 上から投げていたが、一度肩をこわすとどうしても自信がなくなる。
これまで自分でもいろいろ悩んできたが、監督さんが思い切って下から投げてみたら・・・と言われたので、アンダースローに切り替えることにした。
ーこれまで下から投げた経験は? 村山 これが初めてです。
とにかく慣れぬフォームだから、多く投げるとヒジがジンジンと張ったような気がする。
腰の回転や筋肉の使いどころが、上から投げるのと下からとでは全然違うだろう。
横腹が痛い。
下半身のささえもより以上に必要なので、足も早く疲れ、全身がだるい感じだ。
ースリークォーターのピッチングに比べてみた場合どうか? 村山 変えた以上はなんとかしてこのフォームをマスターしたい。
ーこれからの課題は? 村山 第一に早くフォームを安定させることだ。
現在は意識して投げる間はいいが、ちょっと油断すると、すぐもとのフォームに戻ってしまう。
もうひとつは変化球だ。
下から投げてもコントロールは自分で思ったほど大きな狂いはなかった。
カーブ、シュートなど小さく鋭く変化する球も合わせてマスターしたい。