マイバッハという名前を使って、Sクラスの販売を 増やしていきたいということなのでしょう。
戦前の超高級車マイバッハを傘下にしたメルセデスは、 BMW傘下の「ロールスロイス」や、VW傘下の「ベントレー」のように、 超高級ブランドカーとして、「マイバッハ」の名前を、 1997年の東京モーターショーで、 Sクラスコンセプトカーとして復活させました。
実際に販売されたマイバッハ「57」とか「62」は、 ベースのSクラスをオーダーメードで作り変えた特別車だったため、 乗り出し1億円クラスの超VIPクルマになりました。
当然、こんな車がたくさん売れる訳でなく、 採算が取れない赤字クルマだったわけです。
トップブランドとしての名前だけが、存在理由でした。
しかし、その後、儲け主義に走り出したメルセデスは、 当たり前のようにマイバッハの生産中止に至りました。
ところが、そのマイバッハの名前だけは、 Sクラスのグレード名に使用しようと考えたわけです。
これは、AMGのグレード展開とも同じような目論見です。
Sクラスの豪華ロングベース仕様はマイバッハで、 スポーツ仕様はAMGというように、 グレードの名前に付けてきたわけです。
実際、初代マイバッハの日本販売価格は最低4100万円から でしたが、現在のマイバッハS550は、2200万円という破格値です。
この値段ならば、Sクラスの高級グレードとして成立します。
しかも、マイバッハという名前がついています。
もちろん、ほとんど売れていないと思われます。
ただ、もともとのマイバッハも売れていませんでした。
売るためのクルマというよりも、ブランド名としてのクルマでした。
それを量販車Sクラスのの1グレードとしたのが今のマイバッハです。
メルセデスが、AクラスやCLA,GLAといった車を発売することで 多大な利益を得ることに成功しています。
特に日本では上手くいっているようです。
メルセデスベンツというブランドに飛びつく層が存在します。
同じように、Sクラスのリアに、”MAYBACH”というエンブレムを 装備することで、Sクラスの販売が・・・どうなるでしょうね。