最初に指定空気圧の考え方からご説明します。
まずはよく話題に出るロードインデックス(以下「LI」とします)から。
■ ロードインデックス LIは耐荷重性能を示しますが、タイヤ内の空気容量が多いほど、耐荷重性能がも高くなるのでLIも高い値が割り振られます。
インチアップをすると、車輪全体ではホイールの体積が増える代わりにタイヤの空気容量が減るので、LIも低い値になります。
また、タイヤの空気圧を高めるとより高い耐荷重性能が得られます。
日本のタイヤ銘柄はJATMA規格です。
グローバルスタンダードはETRTO規格ですが、ETRTOにはSTD(STANDARD)規格とRENF(REINFORCED)規格=EXTRA LOAD規格があります。
JATMA規格は240kPaまで、ETRTO STD規格は250kPaまでの性能保証となっておりこの両者は近似値です。
これよりも高い290kPaまでの性能保証で設計されているのがETRTO RENF規格となっており、高めの空気圧を入れることで性能を発揮するタイヤです。
これは空気容量の少ない偏平率45以下のタイヤで多く設定されており、タイヤサイズの末尾に「XL」という文字が記載されましす。
「E4」というのはECE=国連欧州経済委員会の規格のことで、これをクリアしないと欧州への輸出ができないことになっています。
■ 指定空気圧 上記で説明したLIは、耐荷重能力を下回らなければ大丈夫ということです。
指定空気圧というのは、自動車メーカーとタイヤメーカーがテストを繰り返し、純正タイヤを指定し、運動性能と乗り心地と燃費性能や耐摩耗性能をバランスさせて設定された空気圧です。
なので、同じサイズでもタイヤ銘柄が変わっただけで、指定空気圧も変わってしまう可能性があります。
サイズが変われば指定空気圧とは異なった空気圧にするのが自然です。
■ SUZUKI Kei 以下、SUZUKI Keiの純正タイヤサイズと指定空気圧です。
純正タイヤは3種類あります。
LIは低いほど、耐荷重性能を補うために高い指定空気圧になっていることがご確認いただけると思います。
・155/80R13 79S 210kPa ・165/70R14 81S 180kPa ・165/60R15 77H 230kPa 一方、質問者様の装着タイヤは165/65R15 81S でしたので、純正の指定サイズではありません。
従って、JATMA LI81 だとしても180kPaが適正とは限りません。
しかし、180kPaが目安になることは確かですね。
そこで、指定空気圧の180kPaがどの程度のものなのか見ていきましょう。
Keiの車両総重量は約1,000kgですから、単純計算ですが1本当たり約250kgの荷重を負担することになります(荷重配分を無視した単純計算)。
それを前提に、JATMA LI81の空気圧ごとの耐荷重を確認すると、なんとわずか140kPaでも335kgの耐荷重性能があります。
指定空気圧の180kPa入れると、390kg/輪の耐荷重まで引きあがり、カソリンスタンドのお兄さんが入れた250kPaともなると460kg/輪以上の耐荷重性能を得られます。
これでお分かりのとおり、140kPaでもタイヤの耐荷重性能上は問題なかったということです。
しかし、メーカー指定空気圧ではさらに高い180kPaを求めていて、その空気圧に達すると運動性能や乗り心地や燃費性能がバランスするということです。
<JATMA LI81の耐荷重> 140kPa→335kg/輪 150kPa→350kg/輪 160kPa→365kg/輪 170kPa→380kg/輪 180kPa→390kg/輪 190kPa→405kg/輪 200kPa→415kg/輪 210kPa→425kg/輪 220kPa→440kg/輪 230kPa→450kg/輪 240kPa→460kg/輪 最近は燃費を良くするために指定空気圧よりもやや空気圧を高めに設定する傾向にあります。
特段問題ないのですが、高くし過ぎるとタイヤの接地面積が減り、グリップが低下し、タイヤの中心付近が偏摩耗を起こします。
ガソリンスタンドのスタッフは高めるにしても、250kPaはちょっと高め過ぎといえると思います。
もっとも、もっと偏平タイヤを履いていたら250kPaでも適正になり得ます。
■ ステップワゴン RF-3 純正サイズ:195/65R15 91H 指定空気圧:前240kPa/後220kPa 質問者様装着サイズ:205/55/16 91V これもSUZUKI Keiと同じです。
質問者様は純正指定サイズとは異なるサイズのタイヤですので、LI91だったとしても、純正サイズと同じ空気圧が適正とはいえません。
但し、LI91が目安になるのは確かです。
ここでは、ガソリンスタンドのスタッフの「外国製は高めがいいよ」という言葉の検証をします。
DERUIBAOは中華系のタイヤメーカーですのでETRTOには加盟していませんが、規格そのものはETRTOを参考にしているようです。
但し、ETRTOと異なった表記のサイズもあるので怪しいとは思います。
<ETRTO加盟メーカー> http://www.etrto.org/page.asp?id=1610&langue=EN しかし、それでは話がストップしてしまうのでETRTO規格であることを前提に説明を進めます。
以下、同じ空気圧で、「JATMA LI91」と「ETRTO STD LI91」と「ETRTO RENF LI91」それぞれの耐荷重性能の比較した表です。
<言葉の意味> ・AIRPRES=空気圧 ・JAT=JATMA規格 ・STD=ETRTO STD規格 ・REN=ETRTO RENF規格 ・N/A=答えなし <比較表 全てLI91> AIRPES JAT STD REN 140kPa 450 N/A N/A 150kPa 465 410 365 160kPa 485 430 380 170kPa 505 450 400 180kPa 520 475 420 190kPa 535 495 440 200kPa 555 515 455 210kPa 570 535 475 220kPa 585 555 495 230kPa 600 575 510 240kPa 615 595 530 250kPa N/A 615 545 260kPa N/A N/A 565 270kPa N/A N/A 580 280kPa N/A N/A 600 290kPa N/A N/A 615 例えば、240kPaでは、JATMAの耐荷重は615kg、ETRTO STDでは595kg、ETRTO RENFでは530kgとなっており、同じ空気圧でもJATMAがより高い耐荷重能力を持っています。
ETRTO STDで615kgの耐荷重能力を得るには250kPaまで空気圧を高める必要があり、ETRTO RENFでは290kPaまで高める必要があるということです。
従って「外国製は高めがいいよ」の「外国製」の意味を「ETRTO規格のタイヤ」と置き換えるならば、ガソリンスタンドのスタッフの言葉は的を射ているということになります。
しかし、先述の通りアジアンタイヤの多くはETRTO加盟していませんので性能表示の真偽に注意が必要です。
■ ガソリンスタンドのスタッフについて カソリンスタンドのスタッフさんはクルマに詳しくない人がいるのも事実で、断りもなく勝手に空気を入れたりするのはご法度ですね。
わたしもスタンドについてクルマを停止させた瞬間に、勝手にドアを開けてくる行為等は不快に思っています。
なので、日頃はセルフのスタンドにしかいきません。