匿名さん
元中日の川畑和人投手を知ってますか? 1970年 プロ入り四年目の初完投。
川畑の移籍後初勝利はバックの援護もあって、さっそうたるものだった。
立上り山本浩に四球を与えて問題のコントロールは大丈夫かと心配されたが、二回三者三振に倒すなど快速球をビシビシぶち込んでその懸念をすぐ吹き飛ばした。
「きょうはタマがよく走っていたし、前半広島が高めのボールを振ってくれたので助かった。
後半はさすがにスピードが落ちたが、ボールが低めに決まり出したのでこれもさいわいしました」川畑がこの夜一番の真価を見せたのは四回だった。
国貞に四球、山本一に初安打され、味方のエラーで無死二、三塁のピンチ。
これを2三振と内野フライでのがれたとき初完投勝利の道がパッと開けた。
「最終回も苦しかったけど、やっぱりあそこを乗り切ったことがよしきょうはいけるという自信になりましたね」八回、先頭国貞に「ややコースの甘かった内角まっすぐ」を左翼席にもっていかれ完封勝ちをのがしたのは残念だったが、まだ、二十二歳と若い川畑である。
この先何度もチャンスはあるだろう。
これで移籍後、10試合目の登板。
先発はさる八月五日の広島17回戦につづき二度目だったが、首脳陣もこの夜の川畑に大きな期待をかけていた。
田辺、佐藤ー川畑と三人の移籍組のうちまだ勝ち星をあげていないのはこの川畑だけということもあるが、さる二十二日のヤクルト21回戦、二十七日の阪神23回戦でそれぞれロッテ当時のスピードを取り戻して好投しているからだ。
川畑は江藤とのトレードで中日にきた。
それについて川畑は「もともと江藤さんとは格が違うが、これをきっかけにこんごの活躍で勝負したい」と九州男児(鹿児島生まれ)らしいことばをはいた。
川畑は野球選手らしくない色白の顔でひ弱そうに見えるが、シンは強いのだ。
初勝利のインタビューを終えたあと、スタンドの少年たちと握手をかわしたり、ロッカールームに戻ってくるとこんどはナイン一人一人に「ありがとうございました」と頭を下げて回った。
こんな川畑に大島コーチは「この1勝を飛躍台にググッとのびる投手になってほしい。
そのチャンスもどんどん与えたい。
コーファックスぐらいの速球投手に育ってくれることを楽しみにしている」と目を細めていた。