SAIは、マイチェン前ではスピードメーターは180km/hまでの表記になっていますね。
これまでは自工会の自主規制で、日本国内では180km/hでリミッターがかかることから、スピードメーターも最高180km/hまでのスケールで日本メーカーは作っていたものです。
この慣行が、最近変りつつあるのです。
欧州車と同じように、性能に見合ったスケールを刻むようになってきています。
レクサスCT→220km/h レクサスIS→260km/h(Fは300km/h) レクサスLS→280km/h スイフト→200km/h(先代は220km/h) ここで、SAIの最高速度のカタログ値は208.3km/hですから、下り坂であれば210km/h以上は出ることとなり、そこまでをフルに表示可能な220km/hスケールのメーターがマイチェンで装備されたということになるわけです。
この変わってきた最も大きな理由が、輸入車と比較された際に見劣りすると言うこと。
特にレクサスなどはドイツ勢がライバルとなりますから、向こうが260km/h出る性能なのにレクサスは180km/hまでしか出ないのか…と、お客に思われてしまうわけです。
高級車の場合、この使い切れない性能にもお金を払う…という部分が大事なのです。
もう一つが、部品の共通化によるコストダウンです。
マイル表示のアメリカはさておき、日本と同じメートル表示の欧州やオーストラリアへ輸出や現地生産をする際には、日本仕様と海外仕様とでメーターを造り分けなくてもよくなりコストダウンができるのです。
このコストダウンの理由が最も大きいです。
良くも悪くもグローバル化しているために、自主規制が次第に形骸化してきているわけです。
輸入車がノーマルでも250km/h(リミッターがかかる)は出るのに対して、GTRやレクサスFモデルなどはそれだけの性能を持っていてもリミッターで180km/hに制限されているわけですから、お金持ちは間違っても買わないよね… 同じ金額を出すのなら、ポルシェなどへ流れてしまうわけです。
自主規制が、それだけビジネスチャンスを奪ってしまっていることになります。
※)R35 GTRはとある方法で合法的にリミッターの解除が可能、そのままディーラー整備で車検も通ります。