「ワイヤ送り速度」と「溶接機の出力電圧」のバランスが取れていないという故障です。
文章から判断して「ワイヤ送り速度」が極端に遅くなっているか「溶接機の出力電圧」の調整が効かず電圧が下がらなくなっています。
まず「ワイヤ送り速度」が極端に遅くなることを調べるために「ライナー交換とワイヤーの通る所は掃除しました」は良い狙いです。
あとトーチの先に出てくるワイヤを手で押さえて、グイグイと力強く出てくるかどうかを診てください、手で押さえたらすぐ止まるようでしたら、まだどこかに不良個所があります、もしかしたらローラーの溝でスリップしているとかワイヤリールの滑りが良くない可能性があります。
次にワイヤ送りのボタンを押して電流調整ダイアルで回転が変わるかも診てください。
「電流を大幅に上げる」ことができたのですから大丈夫と思いますが、一応念のためです、これでスムーズに速度調整できないようでしたらリモコンのコードの断線の可能性があります。
次は電圧の関係です。
古い機械で経年劣化するのは電磁接触器の接点ですが、ここを触るのは知識が無いと危険ですから、電気の知識がある人に「一次入力の電磁接触器が大丈夫かどうか見て」とお願いしてください、電磁接触器は内部の後ろの方に付いているはずです。
電磁接触器が大丈夫でしたら、いよいよ点検です。
「ブーンブーンという感じで溶ける」時に電圧調整ダイアルを下げたら状況が変わりますか? 正常な機械でしたら電圧調整を大きく下げるとアークがパンパンと弾くようになって、さらに最低まで下げたらワイヤがくっついて赤く焼けるようになります。
最低まで下げても何も変化がないようでしたらリモコンのコードの断線でしょう。
もしもこの時に「いくらかは下がるけど、それでもブーンブーンという感じが残る」ようでしたら本体内の故障です。
回路の半分は正常に動作しているけど、回路の半分は制御不能になって最大出力を出しっぱなしという半身不随の症状です。
これは重症でサイリスタという主要部品の破損かサイリスタに指令を送るプリント基板の故障ですが、古い機種なのでプリント基板が入手できず修理不能と諦めることになります。
いろいろな個所の故障が考えられますが、一番多いのは「リモコンコードの断線」です、コードの中の細い線は色分けされているし、端っこの金具にはピンの番号が書いてあるので、電流・電圧のダイアルを真ん中にした状態で両端から導通テストをしてください(導通OKとは完全にゼロオームの状態です) 導通テストに使うアナログテスターはホームセンターで1500円ぐらいからあるし、導通テストは中学校で習うレベルですから、ぜひチャレンジしてください、でもチャレンジするなら一切手抜きなしです。
古い機械はコードがカチンカチンになって切れやすくなりますから、人間の場合は動脈硬化で医者通いするようなものです、溶接機の主治医となってアチラコチラを治しながら使ってください。