DSGはVWが採用するDCTの名称です。
同じDCTはAudiのS-Tronicという名称になっています。
ドイツシェフラー製DCTが採用されており、同じDCTはホンダに供給されi-DCDシステムの骨格となっています。
DCTは2系統の平歯ギヤの変速機を交互に切り替えることで、高速なシフトチェンジが可能なトランスミッションです。
MTのギヤを電子制御で自動的に切り替えるAMTを進化させたトランスミッションです。
物理的な動力伝達構造はMTと同じなので、ギヤの噛み合い損失とフリクション損失があるだけですから、伝達効率が高いトランスミッションです。
変速段数だけギヤがあるので、同一ギヤではエンジン回転数増と加速が比例するので違和感の無い加速ができます。
又、ダウンサイジングターボエンジンとの組み合わせでは、同一ギヤ内でエンジントルクバンドが十分発揮できるので、DCT+ダウンサイジングターボは非常に良い組み合わせです。
一方、CVTは2つのプーリー間を金属ベルトで繋ぎ、プーリーの外径を変化させる事で無段階に変速比が変えられるトランスミッションです。
無段階変速という特徴を生かしてエンジン回転数を一定のまま変速比を変えることで自由に速度が出せます。
エンジン回転数が一定だとエンジン燃焼効率は最大となります。
摩擦接触伝達という、摩擦力を頼りとした変速機のため、伝達効率が悪いのがCVTです。
効率を上げるには摩擦力を少なくする必要がありますが、摩擦力を減らすと伝達動力が減ってしまいます。
一種の背反的特性が、効率の限界を低くしてしまっています。
更に、プーリー外径を一定に固定するために常に油圧が必要となり、エンジン出力の一部を奪ってしまいます。
ただ、これらの損失は、エンジン燃焼効率向上が打ち消してしまうので、全体としての燃費性能は向上するのがCVTです。
その他、コンパクト・軽量・低コストといった日本メーカーが追い求めている方向性にあっています。
燃費だけで加速に違和感のあるCVTと、ダイレクトな走りができ燃費も良いDCTでは、DCTを選ぶのがベルトでしょう。