おそらく、米国のスポーツが学校スポーツをベースに発展してきたからでしょう。
米国では軍楽隊を手本として大学や高校でマーチングバンドが発展しました。
そのバンドにとって、フットボールなどの試合で演奏を披露するのが晴れ舞台となったのです。
フットボールのハーフタイムショーに初めてマーチングバンドが登場したのは、イリノイ大学で1907年のことです。
それ以来100年以上にわたってスポーツと音楽の親密な関係は発展し、他の競技にも波及していきました。
そしてエンターテイメント性に拍車をかけたのが、スポーツがテレビにとって優良コンテンツになったことです。
1967年に始まったスーパーボウルでは、最初の10年間ほどは大学のマーチングバンドがハーフタイムショーで演奏していましたが、ハーフタイムショーになると視聴率が落ちることへの対策として、少しずつ著名アーティストも参加するようになります。
そして1991年にニューキッズオンザブロック(今の日本で言えば嵐みたいな存在)が出演し、ビッグスターのスペシャルライブが目玉になります。
その流れを決定づけるメガトピックとなったのは、1993年のマイケル・ジャクソンでしょう。
これでスーパーボウルは、フットボールに興味がない人も引きつける強力なテレビ番組となりました。
そんなNFLの成功を見て、他の競技にも、そして様々なテレビ局でスポーツとエンターテイメントの融合が広がりました。
人気選手が大きな大会の宣伝CMに登場するのも当たり前になります。
それが米国における現状です。
一方でヨーロッパでは、サッカーやラグビーの始まりこそパブリックスクールをベースにしていたものの、普及に際して大きな役割を果たしたのは地域のコミュニティでした。
おらが町ごとにクラブチームができ、小規模な地域リーグを結成。
それが全国に広がり、各国のトップリーグを構築していったのです。
米国では学校vs学校の争いでしたから、マーチングバンドが校歌や応援歌を演奏したのに対し、ヨーロッパでは街の人々が肩を組んで歌やチャントでチームを応援しました。
これにより大西洋を挟んだ両側の違いが明らかになったわけです。
ヨーロッパでも米国プロスポーツの成功に着目し、テレビコンテンツとしての重要性は急速に向上しています。
しかしベースとなる文化が異なるので、米国流のエンターテイメント性は普及しないというわけです。