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ボルボ・カーズ
ボルボ・カー・コーポレーション("Volvo Car Corporation" )、通称ボルボ・カーズ("Volvo Cars")は中国・浙江吉利控股集団の傘下にあるスウェーデンの自動車会社である。スウェーデンのイエーテボリに本社と工場がある。ボルボ・カーズの前身は、ボルボ・グループ(いわゆるトラック部門や船舶エンジン部門で構成されるコングロマリット)の乗用車部門である。
1924年、アッサール・ガブリエルソン、グスタフ・ラーソンによってスウェーデンでの自動車製造の計画が始まる。SKF社の後援で、1926年に自動車メーカーのボルボが誕生し、ボルボブランドの乗用車製造が開始される。
社名の由来は「私は回る」という意味のラテン語のに由来する。SKFのベアリングのブランドに因んだ名称である。
1927年4月14日、ヨーテボリの にある工場から「ヤコブ」と呼ばれるVolvoÖV4が最初に製造されたボルボ車である。
1999年にボルボの乗用車部門がフォードに譲渡され、ボルボ・カーズとしてフォード社のプレミアム・オートモーティブ・グループの1部門となった。フォードグループ共通のプラットフォームやエンジンを採用しつつ、ボルボのアイデンティティである「安全設計」を守り続けてきた。同社が生産販売する乗用車は、商標管理会社であるボルボ・トレードマーク・ホールディングABの利用許諾を得て2010年8月まではブランドを使用していた。
2010年8月、フォードは、中華人民共和国の吉利汽車の親会社の浙江吉利控股集団に、ボルボ・カーズのすべての株主の権利を18億ドルで売却され傘下となった。
そしてフォードグループからの離脱を機に、完全自社開発で次世代のエンジン・シャーシを新開発し、順次採用している。
「ボルボ設計の基本は常に安全でなければならない」という理念の基、安全装備の開発、事故調査の実施と設計へのフィードバックを行う企業方針と、北欧メーカーであるためヘラジカとの衝突を開発段階から考慮しムーステストを実施することから、「世界一安全なファミリーカー」と評価されていた。
また、各種安全装備に関して特許の公開を行い、自動車の安全性に貢献した。例えば、1959年にボルボは3点式シートベルトを発明して特許を取得するも、安全は独占されるべきものではないという考えからこの特許を無償で公開した。このおかげで、3点式シートベルトは全世界の自動車に付いている装置となった。
さらなる安全を目指して、2020年以降すべての車種で、スピードリミッターにより最高速度が180km/hに制限される。
日本におけるボルボ乗用車の輸入の歴史は1960年に梁瀬商事株式会社(現・株式会社ヤナセ)の傍系法人である「北欧自動車株式会社」が日本総代理店となったときに遡る。1974年に北欧自動車はボルボと帝人株式会社との合弁会社である「帝人ボルボ株式会社」に総代理店を譲り、1986年に帝人ボルボの営業譲渡を受けた「ボルボ・ジャパン株式会社」がボルボ100%出資の日本法人となった(1991年に「ボルボ・カーズ・ジャパン」に社名変更)。
1999年に乗用車部門のフォード・モーターへの売却に伴って、傘下の買収ブランドの統合販売組織であるプレミアム・オートモーティブ(PAG)グループの日本法人「ピー・エー・ジー・インポート株式会社」(PAG Import)が行っていたが、ジャガー、ランドローバー、アストンマーティンの各部門の売却のためボルボ乗用車のみのインポーターとなり、日本法人「ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社」に、そして2013年4月1日に「ボルボ・カー・ジャパン株式会社」に社名変更して今日に至る。
2003年より全世界統一のショールームコンセプト「VNF(Volvo Next Face)」を導入し全国展開してきたが、2013年から次世代コンセプト「VRE(Volvo Retail Experience)」を制定し、同年9月日本導入第1号店をオープン。
ボルボ・ジャパンの創立以来代表取締役社長は外国人だったが、2014年に初の日本人社長として、トヨタ自動車・ファーストリテイリング・日産自動車出身の「木村隆之」が就任した(2020年3月退任)。木村の就任後は、ブランドの立ち位置および販売戦略を「準プレミアム」から「プレミアム」に変更。以降販売台数を大きく伸ばし、2019年の販売台数は2014年時点から約40%増の1万8,564台を記録した。
ボルボの各国インポーターとしては珍しく、東京都と神奈川県に直営ディーラーを運営する。以前は埼玉県・愛知県・大阪府・兵庫県にも直営店が有ったが、地元資本のディーラーに譲渡し直営は縮小した。全国のディーラー数も、2000年頃の拠点数145店から約100店にまで減っている。その一方、2013年6月から認定中古車制度を全世界統一プログラムである「VOLVO SELEKT(ボルボ・セレクト)」に一新し、専用店舗も展開している。
2016年には町田市の直営ディーラー「ボルボ・カーズ東名横浜」内に、1990年以前のクラシックモデルの整備・レストア拠点「クラシックガレージ」を開設した。2017年よりサブスクリプション販売を導入。2020年1月の時点で新車販売の約9%を記録したと発表した。
1966年、140シリーズから、ボルボ車に3桁のシステムを採用した。
最初の数字はシリーズ番号、2番目の数字はシリンダー数、3番目の数字はドア数であった。
164は、1シリーズの6気筒エンジンと4ドアを備えていた。
しかし、このルールには例外もあった。例えば780は、直列4気筒ターボチャージャーと自然吸気のV6ガソリンエンジン、直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載していたが8気筒エンジンはなかった。同様に、760には直列4気筒ターボチャージャーが装備され、360には直列4気筒しか搭載されていなかった。
一部の240GLTにはV6ガソリンエンジンが搭載されていた。740のように最終桁の意味を落としたが、識別板上で不完全性になってしまった。1995年以降のモデルは2桁になっている。
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