1980年代まで、NWA世界ヘビー級は世界で最も権威のあるタイトルとされてきました。
なので最高権威の王座を保持するチャンピオンは、世界で最も偉大な王者…ということにあたるのでしょう。
全日本プロレス中継でも、例えばジャイアント馬場が1974年12月2日に鹿児島でジャック・ブリスコのNWA王座に挑戦したとき、解説の山田隆さんがブリスコを「世界最強の男」「格闘王」と紹介しています。
その世界最高峰の王座を通算8度獲得し、長期にわたってレイス政権を樹立したその偉業を称えて「ミスタープロレス」という異名が与えられたのです。
ルー・テーズやバディ・ロジャースなど歴代王者に並び立つほどの偉業、とする意味もあるので、ミスタープロレスはレイスでよろしいのだと思います。
NWA王座の獲得回数は、レイスはテーズ(旧NWAも含む)と並ぶ回数なのです。
テーズには「鉄人」の異名があるのだし、レイスにはレイスの異名があっていいのではないでしょうか。
なにより、テーズ本人は師匠格であるエド・ルイスやジョージ・トラゴス、アド・サンテルの方が自分よりも偉大なレスラーだ…と語っているのだし、考えうる全ての異名をテーズのものにすることもないでしょう。
テーズも偉大、レイスも偉大。
バディ・ロジャースも偉大だしリック・フレアーも偉大。
エド・ルイスもジョージ・ハッケンシュミットもスタニスラウス・ズビスコも偉大。
それでいいのですよ。
きっと。