4WDというシステム自体が複雑なので、まずは4WDの基本を知らないとJEEPの表が理解しにくいと思います。
まず4WDと言っても様々な方式がありまして、 1.パートタイム式。
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2WDと4WDを運転手が任意にレバーやボタンで切り換えるもの。
4WD状態では前後プロペラシャフトが直結され、常時4輪に動力が伝わるため走破性が高いです。
その反面、前後が直結されると旋回時の前後輪の回転差によってプロペラシャフトがねじられる格好になり、アスファルト面ではタイヤがロックしてしまうタイトコーナーブレーキング現象が起きてしまいます。
後輪をスリップさせながらでないと進めなくなるか、最悪プロペラシャフトが破損します。
滑りやすい路面でしか4WDにしてはいけません。
またアスファルトと雪道が交互に連続するような道では切り換えが面倒です。
今でも軽トラ、軽1BOX、ジムニーなど安価で走破性を求める車には採用されています。
ラングラーはこのタイプということです。
2.フルタイム式(機械式)。
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常時4輪に動力が伝わるもの。
上記タイトコーナーブレーキング現象の対策としてセンターディファレンシャルがあり、前後の回転差をここで吸収します。
2WD⇔4WDの切り換えが要らず、常に4輪で走れるため走破性が高く、切り換えの手間を省けました。
しかしセンターデフの弊害で、もし1輪でも浮いて停まってしまった場合、動力が全て浮いた1輪に行ってしまい空転します。
せっかくの4WDなのに、1輪浮いたら動けなくなるんです。
それを解消するにはデフの動作を制限するLSDという機構を追加する必要があります。
センター、フロント、リアと3箇所に付ければかなりの走破性になりますが、装備は増え、重量が増し、抵抗が増えるので燃費が悪いという、現代にはあまり似合わない性格になってしまいます。
なのでフルタイム式でもLSDが3つも付いた市販車は無いと思います(多分)。
後から個人で改造される方はいると思います。
3.スタンバイ式(機械式)。
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通常は2輪駆動で、駆動輪がスリップすると従動輪にも動力が伝わるもの。
ビスカスカップリングが有名で、粘性オイルに満たされ前輪側・後輪側と繋がった多数のディスクが交互に並んだ入れ物で前輪、後輪が繋がっています。
前輪がスリップすると前後輪に回転差が生じ、ビスカスカップリング内のディスクによってオイルが攪拌され、急激に粘度が増して前後が結着されます。
普段は2WD、滑ったら4WDになるということでなんちゃって4WDとか、街乗り4WDなどと揶揄されたのはこのタイプです。
今は軽自動車とか一部コンパクトカーくらいにしか設定されません。
4.フルタイム式(電子制御式)。
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フルタイム式を電子制御するようになったものです。
様々なセンサーよって加速度、コーナリング、勾配、空転などを検知し、必要なトルクを必要な車輪に積極的に分配します。
今の主流はこれです。
制御の細かさによって多種多様な性能となります。
シンプルにスタンバイ式に毛が生えたようなものから、様々な路面状況を感知して最適なトルクを1輪ごとに制御するものまで。
JEEPのラングラー以外は全てこの分類です。
その中でも、常時全輪にトルクが伝わっているか、通常は2WD走行なのかで別れます。
オンデマンド式というのは基本(AUTOモードで)は2WDですよという意味です。
あとはどのレベルで電子制御するかというので走破性を分類分けしているようですね。
その表の上の方に、アクティブドライブⅡだとか、セレクテレイン、アクティブドライブロック、競れ駆スピードコントロール、、、、、など様々な制御方式が載っていますよね。
そういった制御の質が高く、多いほど走破性が高い分類になっているようです。