元日本ハムのバール・スノー投手を知ってますか? 1974年 まだ入団がきまっていないのに、二十三日からチームの遠征に同行してただいま調整中のヘンな外人投手が、日本ハムに出現した。アメリカ1Aで投げていたことのあるバル・スノー投手(29)=1㍍84、86㌔、右投左打=ですでに「テスト」には合格、現在、アメリカ側に身分を照会中だ。日本ハムではバッキー二世と大変なほれこみようだが・・・。「カッコいいぞ。コントロールも悪くない」ベンチにいた日本ハムのナインが体を乗り出した。二十三日、大宮市営球場でのヤクルト戦の試合前、スノー投手がバッティング投手で登板だ。いかにも重そうな球質、低めにコントロールされた球に打者は押され気味。「手元でグッと伸びる。コントロールもまずまずです」と村井捕手。見守っていた山根ピッチングコーチが「OK」と弾んだ声を出した。看板の打線は順調に仕上がってきたが、投手陣がもたつきづつけて「戦力になる投手を一枚でもほしい」という中西監督の前にとび込んできたテスト生だ。アメリカ・ユタ州の出身で、八年前にはマイナーの1Aで投げたことがある。1966年、メッツのファーム、アウバーンで六試合に登板、1勝2敗。67年はインディアンスのファーム、レノで十三試合1勝3敗。プロ野球には67年で見切りをつけると、大学に進んで英文学を専攻。このほど輸出入を手がける日本のプロモーションのスタッフに採用されて来日したという。「アメリカではユタ工大のピッチングコーチをやっている。体づくりを兼ねて日本ハムで練習させてもらっている」とスノー投手はいうが、投手力にはワラをもつかみたい心境の日本ハム首脳陣としては、ほうっておけない。二十一日には三原球団社長が立ち会ってテストをさせた。今年二月、多摩川の自主トレでも1Aに在籍していた英語教師がとび入り参加して不採用になっているが、今度は首脳陣の力の入れ方も本物。「速球がいい。下半身もしっかりしているし、多分採用することになるだろう」と中西監督。もう一つ球団の態度がはっきりしないのは、同投手がプロモーションに所属していることと、1Aを任意引退したのか自由契約だったかを照会しているため。かつてテスト生で阪神のエースにのし上がったバッキーの例もあるだけに、採用となれば、手薄の日本ハム投手陣にとって注目される存在になりそう。「日本のプロ野球は面白そうだ。投打ともレベルが高い。でも日本でプレーできるかどうかは、いろいろ問題が残っているので・・・」とスノー投手は口ごもるが、本人とは対照的に球団側は大乗り気。果たして第二のバッキー出現するか。