匿名さん
元南海の東実投手を知ってますか? 1958年 「東は頭が細長いから身体もひ弱いんだろうと思っていたら、この間プロで見ると筋骨リュウリュウとしていたので見なおしたよ」と中原ピッチング・コーチは言っていたが1㍍75、65㌔の身体は、プロではさして驚くにたらないが、その容姿からは強固な精神力とすぐれた耐久力を秘めているのが感じとれる。
山本監督は「木村同様、プロ一年生の彼に、昨年活躍した秋山のように働かれると、恥しいからナ・・・」と反射心理学をさしむけているがそれだけに東も内心きっとやるぞの熱意に燃え上がっている。
この彼、今冬は数少ない左腕投手というので多くの球団からねらわれたが、大学入学当初はイバラ街道を夢みていた。
しかし二十九年、明立戦で当時秋山(現大洋)を向こうに回して、堂堂と四連投したころから芽が出はじめた。
六大学でも過去六、七人しか記録しなかったノー・ヒット・ノー・ランの偉業を東大戦で樹立した。
だが木村はともかく東はプロでは・・・・と不安の念をいだかれていた。
というのは練習時の重い速球が一度マウンドに立てば霧の如く・・・というところから来たもの。
肝心のモーションの緩慢さとともにこんごきょう正しなくてはならない課題だろう。
柚木コーチも「現状では本格的なピッチングをしていないので、これをどうきょう正するかは考えていないが、下手にコーチして阪神の井崎の二の舞を踏んでは」とためらっている。
しかし当人は「プロの打者を具体的に研究したわけでなし、もしモーションが緩慢とあれば改良出来る・・・・ともかく第二の柚木さんになるのだ」と言い切る。
図太い神経の持ち主である。