そうだね、125cc時代から坂田和人さんが言っていたけど 彼はマシンを小さく素早く曲げるテクニックが 秀でてますね。
素早く方向転換が出来るから、アクセルを開けるポイントが 早くなるので結果的にストレートが伸びる。
MOTO2時代にワンメイクエンジンなのに 別格の速さをみせていたのは、この向き換えの上手さから くるストレートの伸びですね。
で、この素早く向きを換えて、アクセルドーーンっていう 乗り方はRC213Vに向いてます。
ホンダのマシン造りははるか昔から、旋回している時間を 短く、早く起こしてアクセルドーンという乗り方で ダラダラとバンキングしている乗り方は合ってません。
彼がヤマハのマシンだったら恐らくここまでは速くない。
それから彼はとにかく見切りがうまい。
去年、ペドロサのスイングアームのセンサーを切っちゃったけど レーシングスピードで回転しているホイールの そばまで接近できるってのは 彼には見えているってことなんでしょうね。
見えているからインに入れるし、接近できる。
彼は前車のリヤタイヤに軽くフロントを当てるとか 平気でしますけど相手との相対速度の測り方が抜群。
見ているから、怖くないし、接近できる。
それから負けん気の強さ。
125cc時代、まだチビッコだった頃、長身のコルシに 挑んでいったけど、体格で負けて弾き飛ばされたのをみて コイツは鼻っ柱が強いなぁと思った。
彼のヘルメットにあしらわれている「アリンコ」は 小さくても負けないっていう気概の表れだと思うな。
今はだいぶ大きくなったけど、それでも大きいとは言えないからね。
後はいい意味でテキトーなところ。
彼は少々のコンディションの変化やマシンセッティングの 変更をしてもタイムが変わりません。
ライディングの幅が広いんですね。
これはケーシーにも言えることで、 この辺がペドロサと違うところ。