回答リクエストありがとうございました。
学生時代と現在とでは、回復速度や回復期間も異なるので、休ませた方が良いかどうかは強度とトレーニング目的に応じて一概には言えません。
が、若い頃よりは、できる限り休ませたほうが良い、という理論は成り立ちます。
ただし、超回復理論は、「理想論」です。
実際、どれくらいの期間で回復が起こるかは、正確に断定できませんし、超回復効果だけを狙って、その間、トレーニングしない(全く刺激がない)よりは、その間に刺激したほうが総合的に効果が高いのは言うまでもありません。
実際、筋肉痛は回復の一過程、という理論が主流になっていますし、私もそちらの視点の方が説明がつく情報の方が多いので、筋肉痛でも可能な時は動かす(鍛える)ようにしています。
というのも、「痛み」が起こるプロセスにおいて、実際に「脳から痛みの信号が出ていること」と「実際に筋疲労している」ことは必ずしも一致しないから、です。
筋トレ=筋肉の成長=より強く力を発揮できる状態への適応、ですから、痛む→休ませる、というアプローチをしてしまうと、細胞は成長することを学習しようとすると、すぐに休める状態が必要であると認識し、成長速度はかなり鈍麻します。
痛みで日常生活に支障が出るほど鍛えるならば、逆効果ですが、一般的な範囲内ならば、無意識のリミッター(筋力に関係なく、脳が出す限界信号)を外す、という視点でも、できる限り刺激を与え続けるほうが効果的、です。
したがって、一般論は全て裏返して解釈したほうが良い、(一般論は誰にも当てはまらない)という法則はこの点にも当てはまり、次の日は身体を休めるのは間違いで、翌日もある程度は鍛えたほうが良いが、鍛えられない時は休ませても良い(もしくは、他の部位を鍛える)、という位置づけで鍛えるのがよろしいかと思います。
なお、~~するべき、という「べき論」は、言語認識を麻痺させる理論でもあるので、それを使用した時点でその内容は間違っているもの、でもあります。
日本文化においては、右に傾くと左にも傾けてバランスを取るのがよい、とする考え方が優位なので、超回復理論の考え方が正しいように感じますが、実際、生体内での生理作用は24時間働いており、休息と活動を完全に分けることは不可能ですし、(人間が寝ていても、体内では細胞は休みなく働いている)、なおかつ細胞は成長するために刺激を必要としているので、バランス理論はやはりズレている、というのが真理でしょう。
火傷すれば冷やせば良い、という態度と同じで、「温度や熱量」という「物質」を対象として判断すれば、それは正しいのでしょうが、トレーニングなど「細胞」を対象とするものに対し、その考え方は程度が大きくなれば、どんどん当てはまらなくなります。
実際、細胞は熱すぎても冷えすぎても死にます。
そして、急激な温度変化にも弱いです。
トレーニング効果も、最終的には筋肉や神経を含めた細胞の活性化もしくは成長、ですから、やはり、結論は「できる限り刺激し続けたほうが良い」と言えます。
したがって、「理屈」として正しい超回復理論は、私は「感覚」的にオススメしません。
そもそも、細胞の休息=何もしないこと、ではありません。
静的・動的ストレッチにも代表されるように、 細胞の休息とは、成長のためにある程度の刺激と、細胞分裂のための栄養素とそのための時間を必要とするもの、ですから、その範囲や条件を逸脱しなければ、刺激も休息と同じ状態を意味します。
メンタル強化においても、休息が逆効果を招く場合が多いのも同じ理由です。
そもそも、人間の細胞は「休息」=「死滅」を意味しますから、休ませるという考え方や態度の延長が間違っているのは当然の帰結でしょうね。