ディーラーの店舗数をご存じでしょうか? トヨタ 約5,000店 日産 約3,000店 ホンダ 約2,500店 これらが全て、展示用車両と試乗車用の2台を発注したら、何台になるでしょうか? この他にも、各店舗で2~3人は新型発売を心待ちにしている人がいますから、そういった注文が入ります。
だいたい5~10人くらいは、値引き無しでも真っ先に受注するらしい。
もうすでにこれだけで、月間生産が可能な台数の数倍に達するわけです。
メーカーは、あらかじめ判っているこの数字を踏まえた上で、月間目標台数を設定して報道発表を行ないます、「受注が好調」とね。
"売れている"という数字を様子見している潜在顧客に対して印象づけるわけです。
そんなに人気があるんだったら、ちょっとディーラーに見に行ってみようか?と心理的になるでしょう。
新型発売の半年後くらいで、新車効果が落ち着いてきた数字が本来の姿です。
ここで月間目標台数を維持出来ていれば本当に人気、大きく下回っていれば不人気と言うことになります。
オデッセイなんかは月間販売目標4,000台に対して登録台数が6ヶ月は5,000台を維持していましたが、その直後から1,500~2,000台に急減速しており、販売目標を3,000台へと引き下げています。
ですが、その数字すらも達成できていない→不人気となるわけ。
月間販売目標が下方修正されたことは、あまり一般には大きく報道されません。
ネガティブな情報ですから、報道も「スポンサー」に対して配慮するわけです。
新型の販売台数の中には旧型の在庫も含まれていますが、それは数台か数十台なので母数からしたらほとんど無視できます。
先代ハリアーなどは、2012年夏(オーダーストップ)以降完全に生産終了した後も、毎月20台とか30台が登録計上されていましたから、これが在庫と言うことです。
在庫は顧客に売ると言うよりも、新型が出る前にディーラーが自社登録して系列の中古車センターへ持って行ってしまうのが一般的です。
目標販売台数をしっかりと維持したモデルと言うのは、ほとんど無いと言ってもいいですが、アルファード/ヴェルファイアなんかはモデル末期でもかなり売れていました。
新型のデザインが今のトヨタのアウディ顔になるということで、これを嫌った人達が購入に走ったと思われます。
アル/ヴェルでは、フルモデルチェンジ自体がキープコンセプトですから、顔の好みで新旧を買うかどうかが分かれるわけです。
そういった駆け込み需要などもあります。