① ダウンサイジングエンジン開発に遅れたため 欧州で進んだダウンサイジングターボエンジンですが、日本メーカーは主力トランスミッションがCVTで発展したため、ダウンサイジングターボエンジンの必要性が低く、開発が遅れました。
CVTは無段階に変速比が可変できるため、エンジン回転数の変化は少ない方が効率的です。
そのため、エンジンは回転数変動が少ない環境を想定しており、ターボエンジンよりも自然吸気エンジンの方が低コストで経済的です。
欧州では多段ATやDCTが主力となり、同一ギヤ内でのトルクバンドを維持しながら、変速時のエンジン回転数をトランスミッションの入力回転数に一気に合わせる必要があります。
DCTは構造上トルクコンバータを搭載するのは不利ですから、エンジン側で回転数制御速度を向上させる必要があります。
そのため、エンジン回転追従性を高くして、同一ギヤ内でのトルクバンドを確保するにはダウンサイジングターボエンジンは好都合だったのです。
排気量の縮小で低負荷時の排出ガスを減少させ、 高負荷時はターボで過給し必要なトルクを満たし、 常に低圧過給する事でポンピング損失を低減するといった効果があります。
日本メーカーも昨年あたりから、ダウンサイジングターボエンジンの搭載が始まっています。
日産はMercedesのダウンサイジングターボエンジンを採用したりしています。
② ハイブリッドシステムの位置付けの違い 日本ではハイブリッドシステムは燃費が目的です。
そのため、ハイブリッド車はエンジンを非力にしても燃費最優先です。
エンジンにアトキンソンサイクルを採用してまで、エンジン燃焼効率の向上を図っています。
欧州メーカーのハイブリッドシステムは燃費よりも車自身の運動性能向上が優先されます。
そのため、基本的にエンジンモデルにハイブリッドシステムを搭載して更なる運動性能向上が図られています。
エンジンモデルがダウンサイジングターボエンジンですから、必然的にダウンサイジングターボエンジン+モーターという構成になります。
昨年からはハイブリッドモデルを辞めて、プラグインハイブリッドモデルへ進化しています。
VW GOLF GTE,Audi A3 e-tron,BMW 330e,Mercedes C350e等です。
パワートレインの構成はハイブリッドモデルと同様ですが、外部充電機能とバッテリー容量増強が行われ、モーター走行が主体となりました。
③ 日本メーカーのハイブリッド車が売れているから 日本では、ハイブリッドモデルが売れています。
販売上位はハイブリッド車ばかりです。
そのため、低コストがメーカーは重要視しています。
エンジンは燃焼効率向上に向かい低コストを同時に実現する必要があります。
欧州車はコストをかけても運動性能を維持した上で、CO2排出規制を満足させる必要があります。
販売台数の絶対数が異なりますから、日本メーカーがダウンサイジングターボエンジンをハイブリッドモデルで採用するのはまだ先になるでしょう。
(tekachan450さんへ)