W杯は、まだ始まっていません。
今日の試合はW杯に出場するためのアジア地域の予選です。
今度、試合がある時に、テレビ画面の右上をご覧ください。
ロシアワールドカップアジア最終予選と字幕が出てますので是非ご確認を。
因みにワールドカップはヨーロッパ、アジア、北中米カリブ、南米、アフリカ、オセアニア、という地域でそれぞれ予選を勝ち抜いた国がワールドカップ本大会に出場出来るという仕組みです。
それぞれの地域には出場枠というのが国の多さやサッカーのレベルに応じて決められていてアジア地域の出場枠は4,5となっています。
予選の形式は地域によって異なります。
アジア地域の場合は一次予選、二次予選、三次予選を勝ち抜いた12ヵ国が、現在行われている最終予選に進みます。
12ヵ国がAグループとBグループに6ヵ国ずつ別れて総当たり戦×2で試合を行います。
Aグループは、韓国、ウズベキスタン、シリア、カタール、イラン、中国。
Bグループは、日本、サウジアラビア、イラク、タイ、オーストラリア、UAE。
「×2」というのは同じ国と2回ずつ試合を行うという意味で、日本とサウジアラビアで言えば今日、日本で試合を行ったので次はサウジアラビアで試合を行うということです。
これをホーム&アウェイと言います。
自分達の国で試合をする方が、自分達の季節感、気温や湿度、グラウンドの芝生も自分達のやり易いようにコンディションを整えられるし、何より自国民が沢山応援してくれるので有利とされています。
逆に相手の国での試合は不利とされています。
それぞれのグループは、6ヵ国で構成されているので、全ての国は自分の国以外の5ヵ国と2回ずつ試合を行うので、全部で10試合することになります。
今日のサウジアラビアとの試合で、日本はBグループで全ての国と一回ずつ、つまり5試合を終えました。
今年はもう試合はなく、残りの5試合は来年行われます。
そして、全ての国が10試合を終えた時点でA、B、それぞれで上位2ヵ国に入れば、無条件で2018年にロシアで開催されるワールドカップ本大会への出場が決定します。
つまり、アジア地域からは4チームが確実にワールドカップに行けると言うことです。
「無条件」と付けたのには、アジア地域の出場枠4,5と言うのが関係しています。
無条件で出場出来る4ヵ国と、条件付きで出場出来る国が0,5ヵ国あると言うことです。
それはA、Bグループそれぞれで、残念ながら3位に終わった2ヵ国が条件付きでの出場の可能性があることを意味します。
まず、その3位の2ヵ国がホーム&アウェイで試合を行いアジア地域の5位を決めます。
次にその5位の国と、北中米カリブ地域で4位になったチームがホーム&アウェイで試合を行い、勝った国がロシアでの本大会に出場することになります。
北中米カリブとはアメリカ大陸の上と真ん中にある国々で、下の南米は南米地域として別にされています。
北中米カリブの中でサッカーが強い国は、メキシコ、アメリカ、コスタリカ、ホンジュラス、ジャマイカ、カナダなので、恐らくこの中のどこかの国とアジア地域の5位が闘うことになります。
因みに北中米カリブ地域のワールドカップ本大会出場枠は3,5となっているので条件付きでの出場の可能性が4位にある、ということです。
このように世界の各地域で予選を行い、最後には地域を飛び出して他所の地域とも争いながら、本大会出場を目指すのです。
日本は残りの5試合で3試合のアウェイを残しているので、まだまだ安心は出来ません。
その3試合は中東のサウジアラビア、イラク、UAEなので移動距離も長く、時差もあり、気温も湿度も日本と真逆でコンディション維持が難しく、日本のパス回しの良さを消すためグラウンドをわざとボコボコにしたり、試合前日の夜中に日本代表が泊まるホテルの前で中東のファンたちが日本の選手を寝不足にしてやろうとドンチャン騒ぎを起こして妨害するなど、様々な問題が発生する可能性があります。
そんな状態では普段通りのサッカーが出来るはずもなく、力は半減します。
日本人はそんなことしませんが、世界では常識で、これもアウェイの洗礼とされています。
それらを考えれば、今日の勝ちは絶対必要であり、引き分けか負けであれば、監督解任の話も出ていたでしょう。
そんなことが日常茶飯事なので、最終予選はある意味、本大会よりも厳しいと言われることがあり、今その真っ只中にいるのです。