①二強の強さ 結果論として、トップ2チームが上げたハードルがリーグの底上げにつながっている…。
スペイン1部リーグの他クラブは、世界屈指の強豪クラブと、シーズンで少なくとも4回は対戦することができるため…これはデカい…それから、バルサやレアルのアカデミーから昇格できなかった選手の多くが、名を上げるために他のスペインクラブでプレーしていることも大きい…。
②指導のバリエーション 「スペインサッカーは非常にテクニカルだ。
最高のサッカーがある」と言うのは、チャンピオンズリーグの準決勝でレアルの前に屈した、マンチェスター・シティ(Manchester City)のマヌエル・ペジェグリーニ監督…。
しかしそれだけではなく、欧州カップ戦で次々に成功を収めるスペインチームは、優れた指導者が編み出した戦略を駆使している。
バルセロナが取り入れたことでも知られるショートパス主体の戦術「ティキ・タカ」は、2008年から2012年までの間、スペイン代表に主要タイトルを3つもたらし、ディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコは、スタイルの面でバルセロナにかなわなかったかもしれないが、その強固な守備が欧州の強豪を苦しめています。
レアル、セビージャ、ビジャレアルには絶対にカウンターアタックを許してはならないし、アスレティック・ビルバオのセットプレーにも手がつけられません…。
これらのバリエーションが、他のライバルよりも、ゲームを読みづらくしています…。
③リクルート バルサやレアルが豊富な資金力に頼る一方で、他チームはこの2大クラブ、もしくは潤沢な資金を持つイングランド・プレミアリーグに選手を供給し続けています。
一方では、アトレティコやセビージャに代表されるように、コーチ陣を含むクラブの人事を牛耳るベテラン・スポーツディレクターの存在も大きいです。
セビージャのスポーツディレクターを務めるモンチことラモン・ロドリゲス・ベルデホ氏は、フランスやポルトガル、ウクライナ、そしてスペインの下部リーグから選手を安価で獲得し、高額の移籍金で売却することで多額の利益を生み出してきました。
モンチには今や、リバプールやバルセロナからも声がかかっているそうです。
アトレティコは、現在では禁止されている「第三者による選手所有(TPO)」の常連だったものの、ポルトガルの敏腕エージェント、ホルヘ・メンデス氏と密接な協力関係を結びながら、ポルトガルや南米から多くの有望株を獲得し続けています。
④生え抜き選手の存在 スペインチームの成功の影には、生え抜き選手たちの存在があります。
そのクラブで育った選手は、クラブの財政を支えるのと同時に、トップ選手を寄せ集めただけでは生まれない一体感やチーム精神を培います。
スペイン代表のビセンテ・デル・ボスケ監督は、「スペインのチームは、アカデミー時代から良い関係を育む」と説明した。
「そこから、コーチングのレベルが向上したこともあるが、クラブや代表レベルでの水準も上がった」 ⑤経験値の高さ ここ10年間でヨーロッパリーグを6回制しているスペイン勢は、どのようにバランスを保ちながら欧州カップ戦とリーグ戦を戦い抜くかを心得ています。
直近5シーズンの欧州カップ戦で、アトレティコは63試合、レアルが62試合、バルセロナが57試合、セビージャが53試合、ビルバオが52試合、バレンシアが48試合をこなしていることが大きいアドバンテージになっています…。