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日産・ジューク
ジューク("JUKE")は、日産自動車が生産・販売するコンパクトSUV型の普通乗用車である。
かつては、北米や日本でも生産・販売されていたが、いずれの地域でも生産・販売が終了となり、キックス(P15型)が後継車種となる。
2010年2月にフランスで発表された。同年6月9日に日本国内で1.5L FF車の販売が開始され、以降、同年9月に英国で、10月にその他欧州市場で、9月に北米市場で発売された。製造は、日本仕様車および北米仕様車については追浜工場で行われ、2010年8月26日より英国日産自動車製造サンダーランド工場でも生産が立ち上がり、欧州やオセアニア向けの車両はこちらで製造される。
中国市場へは、日産ブランドではなくインフィニティブランドとして投入され、「インフィニティ・ESQ」の名で販売される。
2009年3月に開催されたサロン・アンテルナショナル・ド・ロト(ジュネーブショー)で発表されたコンセプトカー、カザーナの量産・市販バージョンであるが、コンセプトカーのカザーナよりもジュークの方が先に完成しており、ジュークをショーで展示するに当たって修正を施したものがカザーナであるという。
プラットフォームには、Bプラットフォームが採用された。サスペンションはベースとなったキューブ同様フロントにカヤバ工業製ストラット式サスペンションを、リアにトーションビーム式サスペンション(4WDはマルチリンク式サスペンション)を採用するが、リアサスペンションに関しては剛性を高めるため、2WD・4WDともC25型セレナと共通のものが採用されている。また、燃料タンクは他のBプラットフォーム採用車種よりも容量の多い52Lを確保している。リアブレーキはHR15DE型エンジン搭載車のみドラム式で、それ以外はディスクブレーキが奢られる。
エンジンは、日本仕様車には当初、量産車としては世界初のデュアルインジェクターを採用した改良型直4 1.5L NAのHR15DE型エンジンのみで販売を開始したが、2010年11月2日に新開発の直4 1.6L 直噴ターボエンジンのMR16DDT型エンジンを搭載した「16GT」とその4WD版である「16GT FOUR」が追加された。
なお、欧州仕様車には直4 1.6L NAのHR16DE型エンジンとMR16DDT型エンジン、および直4 1.5L K9K型ディーゼルエンジンの3機種が用意され、北米仕様車にはMR16DDT型エンジンのみが用意される。4WD車はMR16DDT型エンジン搭載車のみに用意され、四輪駆動システムには左右輪のトルク配分を調節することを可能とした新開発のトルクベクトル付ALL MODE 4x4-iが採用されている。また、日本仕様車および欧州仕様車については全エンジン搭載車にそれぞれFFモデルが設定されている。
トランスミッションは、日本仕様車はCVTのみの設定で、欧州仕様車にはFFモデルの全車にMTが、HR16DE型エンジンおよびMR16DDT型エンジン搭載車にCVTが用意されている。このうち、HR15DE型およびHR16DE型エンジン搭載車には、日産製のモデルとしては初めてジヤトコ製の副変速機付CVTが採用されており、MR16DDT型エンジン搭載車にはエクストロニックCVT-M6が採用される。
2013年より発売を開始した台湾市場においてはHR16DEとMR16DDTの2種、韓国市場においてはMR16DDTのみを用意するが、台湾仕様は前者はFFで後者は4WDとなり、韓国仕様については4WDのみとなる。いずれもトランスミッションはエクストロニックCVTのみ。台湾市場向けはサンダーランド工場製造分、韓国市場向けは追浜工場分が供給される。
オーストラリア・ニュージーランド向けはサンダーランド工場製造分で、同地で販売されている他の日産車とは異なり欧州仕様のままでライトスイッチが左、ワイパースイッチが右側の配置となっており、リアフォグランプが全車標準装着となっている。なお同じく英国から輸入されるキャシュカイは、ランプスイッチとワイパースイッチが入れ替えられており、リアフォグランプは未装着。
日本仕様についてはHR15DEエンジン搭載車は「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+15%」を同時に達成、MR16DDTエンジン搭載車は「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+10%(4WDは+5%)」を同時に達成した。リアに装着されているエンブレムも異なっており、HR15DEエンジン搭載車には「XTRONIC CVT」エンブレムを装着。MR16DDTエンジン搭載車は販売当初直噴ターボであることを示す「DIG TURBO」エンブレムが装着されていたが、2012年6月の一部仕様変更で「DIG TURBO」エンブレムに替わり、グレードを示す「16GT」のエンブレム(4WD車はさらに「FOUR」も表記)が新たに装着された。2013年8月のマイナーチェンジでHR15DEエンジン搭載車がアイドリングストップを搭載したことによって燃費を向上し「平成27年度燃費基準」を達成。さらに、日産が展開するエンジン進化型エコカー「PURE DRIVE」の車種となったため、リアに装着されていた「XTRONIC CVT」エンブレムは「PURE DRIVE」エンブレムに変更した。
2014年7月のマイナーチェンジではMR16DDTエンジン搭載車を改良し、直噴ガソリンターボエンジンで世界初となるエキゾーストマニホールド触媒通過後のクリーンな排気ガスを冷却した後、ターボチャージャー手前に再循環させるロープレッシャークールドEGRを採用したことでより広範囲でのEGR作動を可能にしたほか、各部の摩擦抵抗の低減や燃焼効率の向上などで燃費を向上。併せて、最大トルクの発生回転域を引き下げたことで発進加速性を高め、トランスミッションをエクストロニックCVT-M7に変更したことでより心地よい走りとなった。
クーペとSUVを融合させたようなエクステリアデザインが特徴。デザインは内外装ともに日産デザインヨーロッパ (Nissan Design Europe: NDE) と日産グローバルデザイン本部 (Nissan Global Design Center: NGDC) の共作で、同社のスカイラインクロスオーバーを髣髴とさせる強い傾斜が特徴である。個性的なフロントマスクを印象付けるヘッドランプはラリーカーの大型フォグランプをイメージしたもので、テールランプ(加えて、2014年のマイナーチェンジ以降のモデルについてはフロントターンレンズも)の形状にはZ34型フェアレディZなどと同様にブーメラン型がとられている。また、リアのドアノブをボディではなくCピラー上にレイアウトすることで2ドアクーペ風に見せ、スポーティさを強調している。
インテリアはNDEの案をベースに神奈川県厚木市のNGDCが量産性や生産コストを加味して開発した。センターコンソールはバイクのタンクをイメージしてデザインされ、随所を赤もしくは黒で仕上げることでスポーティさと使い勝手を両立させた。さらに上級車種のコンソールにはエアコン操作スイッチを兼ねた多目的ディスプレイ「インテリジェントコントロールディスプレイ」を導入している。
日産自動車ホームページでは「コンパクトカー」と「SUV」の両方に分類されていた。
当初、日本仕様車には下から「15RS」と「15RX」の2グレードのみが用意されており、いずれにも16インチフルホイールカバーが装着された。「15RX」には「15RS」の装備に加えてオートライトやプライバシーガラス、インテリジェントコントロールディスプレイが追加装備された。2010年11月にはMR16DDT型エンジンを搭載したFFモデルの「16GT」および同じく4WDモデルの「16GT FOUR」が追加され、「15RX」の装備に加えてVDCが装備され、17インチアルミホイールが装着された。2011年5月には特別仕様車「15RS Type V」、「15RX Type V」が発売され、「15RS Type V」には「15RS」をベースにプライバシーガラスが標準装備され、「15RX Type V」には「15RX」をベースにインテリジェントキーシステム・プッシュエンジンスターターおよびフロントフォグランプが標準装備された。2012年6月の仕様向上では「15RS Type V」、「15RX Type V」がベースグレードに替わってカタロググレードに昇格し、「16GT」、「16GT FOUR」はインテリジェントキーシステム・プッシュエンジンスターター、フロントフォグランプを新たに装備し、「16GT Type V」、「16GT FOUR Type V」に改名された。
「15RS Type V」および「15RX Type V」発売同日にはオーテックジャパンによる特別仕様車「アーバンセレクション」が発売された。このモデルには「15RX Type V」および「15RS Type V」をベースにガンメタリック塗装の専用フロントグリルやバックドア専用光輝モール、エキゾーストフィニッシャーなどが装着され、さらに専用ローダウンサスペンションを採用したことで全高を1,550mmとし、機械式立体駐車場の利用を可能にした。
2012年6月の仕様向上と同日には、特別仕様車「プレミアムホワイトパッケージ」も発売された。「15RX Type V」、「16GT Type V」、「16GT FOUR Type V」をベースに、フロントセンターコンソールとパワーウィンドウフィニッシャーにはホワイトを、ブラックの本革シートにはホワイトステッチを、ドアアウトサイドハンドルと電動格納式リモコンドアミラーには高輝度シルバーをそれぞれ採用。さらに、17インチ専用アルミホイールも装備された。同時にオーテックジャパン扱いの「アーバンセレクション」は、「15RS アーバンセレクション」を廃止する替わりに、「15RX プレミアムホワイトパッケージ」をベースとした「15RX アーバンセレクション プレミアムホワイトパッケージ」が追加された。
2012年10月にはオーテックジャパン扱いの特別仕様車「15RX アーバンセレクション」にクールブラックのフロントグリル・バックドアモール・17インチアルミホイールを採用した「15RX アーバンセレクション スタイリッシュブラックパッケージ」が発売された。
2013年8月にはマイナーチェンジと同時に特別仕様車「15RX パーソナライズパッケージ」を発売。「15RX Type V」をベースに、クールブラック17インチアルミホイール、ボディカラーに合わせたカラーリングとした電動格納式リモコンカラードドアミラー(ドアロック連動自動格納機能付)とアウトサイドドアハンドルを装備した。専用オプションとして、アルミホイールやボディサイドフィニッシャー、ドアミラーカバー等もカラーコーディネートが可能になっている。ボディカラーは新色の「バッションレッド」と「ナイトベールパープルパールメタリック」の2色のみの設定である。
同年12月には特別仕様車「プレミアムパーソナライズパッケージ」を発表。既存の「パーソナライズパッケージ」よりも更にプレミアム感を演出した仕様で、「15RX Type V」・「16GT Type V」・「16GT FOUR Type V」をベースに、アウトサイドミラーとアウトサイドドアハンドルに高輝度シルバー、フロントセンターコンソールとパワーウィンドウフィニッシャーにグロスブラックをそれぞれ採用するとともに、専用17インチアルミホイールを装備。ボディカラーはR34型スカイラインGT-Rに採用されていた「ミッドナイトパープルIII」を再現し、見る角度や光り方により、青紫・赤紫・赤・オレンジの4色がダイナミックに変化する特別設定色「ミッドナイトパープルIV」を採用した。300台の限定販売である。併せて、同年8月に発売した「パーソナライズパッケージ」には「15RS Type V」をベースにした「15RS パーソナライズパッケージ」を追加した。
2014年7月のマイナーチェンジでは、グレード体系を発売当初の名称である「15RS」・「15RX」・「16GT」・「16GT FOUR」に戻し、新たに、特別仕様車「パーソナライズパッケージ」を発展させる形で、エクステリアとインテリアの色のコンビネーションから90パターンを選べる「パーソナライゼーション」を「15RS」を除く全グレードに設定され、ボディカラー以外にメーカーオプションで色を選択できるパーツを設定し、外観のドアミラー・ドアハンドルセットは4色から、内装のセンターコンソール・各種トリム・シート地セットは3色からそれぞれ選択できるようにしたほか、パーツをディーラーオプションにも設定し、クルマの個性を更に高めたいユーザーの要望にも応えられるようになっている。さらに、キューブやリーフに設定されている創立80周年記念の特別仕様車「80th Special Color Limited」がジュークにも設定された。「15RX」をベースに、16インチフルホイールカバーとサイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー(ドアロック連動自動格納機能付)にブロンズカラーを、フロントのアウトサイドドアハンドルにメッキをそれぞれ採用。ボディカラーは日産を代表するスポーツカーであるGT-RやフェアレディZの歴代モデルに採用したヘリテージカラーを引き継いだ車体色を設定しており、1972年のフェアレディ240Z Gに設定されていた「グランプリマルーン」を引き継ぐ「プレミアムディープマルーンパール」、1969年の初代フェアレディZ S30に設定されていた「グランプリオレンジ」を引き継ぐ「プレミアムサンフレアオレンジ2コートパールメタリック」、1999年のスカイラインGT-R Vスペック R34に設定されていた「ベイサイドブルー」を引き継ぐ「オーロラフレアブルーパール2コートパール」の3色に、白系の「ブリリアントホワイトパール3コートパール」を加えた4色を設定する。
2015年11月には、仕様向上と同時に特別仕様車「15RX Vセレクション」と「ドレスアップ」を発売した。「15RX Vセレクション」は「15RX」をベースに、フォグランプ、サイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー(ドアロック連動自動格納機能付)、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキー、17インチアルミホイール(シルバー)、エンジンイモビライザーを特別装備しており、ベース車同様に「パーソナライゼーション」も設定されている。なお、オーテックジャパン扱いの「アーバンセレクション」は「15RX Vセレクション」ベースとなり、「15RX Vアーバンセレクション」に改名した。「ドレスアップ」は「16GT」・「16GT FOUR」及び特別仕様車「15RX Vセレクション」をベースに、「アズライトブルーパール」と「ブリリアントシルバーメタリック」を組み合わせた専用2トーンカラーを採用するとともに、センターコンソールとウィンドウスイッチフィニッシャーにライトシルバーの専用内装色を設定。さらに、「15RX Vセレクション ドレスアップ」は17インチアルミホイールが「16GT」・「16GT FOUR」と同じデザインに変更される。
その翌月には特別仕様車「15RX AAAエディション」を発表した。「15RX Vアーバンセレクション」をベースに、MOD(移動物検知)機能付アラウンドビューモニター、ディスプレイ付自動防眩式ルームミラー、「パーソナライゼーション」専用ブラック17インチアルミホイール、AAA専用ホイールステッカー、日産オリジナルナビゲーションMC314D-W(メモリータイプ)を特別装備し、AAAロゴ入りキーホルダーも付帯される。また、「パーソナライゼーション」全バリエーションの中から、音楽グループのAAAのメンバー7人がそれぞれ選んだ7パターンの組み合わせが用意されており、7パターンそれぞれでボディカラーが異なる。300台の限定販売、ベース車同様にオーテックジャパン扱いで、持ち込み登録となる。
2018年8月に追加発売された「15RX VセレクションStyle NISMO」は、「15RX Vセレクション」の2WD車をベースに、フロントフェイス(グリル・バンパー)やリアバンパーなどをNISMO専用仕様に変更するとともに、NISMO専用のサイドシルプロテクターなどを装備。また、インテリジェント アラウンドビューモニター、キセノンヘッドランプ、ディスプレイ付自動防眩式ルームミラーを装備した「アラウンドビューモニターパッケージ」も設定される。なお、「15RX Vセレクション」で設定されているフォグランプが未設定となる。
業務用車は、当初から個人オーナーを想定して開発したことに加え、積載量もNV150ADの方がはるかに上回っているため、鹿児島市立病院のドクターカーなどのごく僅かな例にとどまっている。
2019年11月、一部の自動車誌の報道により、2019年をもって生産終了予定であることが報道され、同年9月に欧州向けで発表された2代目が導入されないことが分かった。
欧州仕様車にはK9K型ディーゼルエンジンを搭載した「1.5 dCi」、HR16DE型エンジンを搭載した「1.6i」、MR16DDT型エンジンを搭載した「1.6i DIG-T」が用意され、「1.5 dCi」には6速MTが、「1.6i」には5速MTおよび副変速機付きCVTが、「1.6i DIG-T」には6速MTおよびエクストロニックCVT-M6がそれぞれ組み合わせられる。下から「Visia」、「Acenta」、「Tekna」の3グレードが用意され、「Visia」にはディーゼルエンジン・6速MTのみが、それ以外はすべてのエンジン・トランスミッションの組み合わせが用意される。廉価グレードの「Visia」のみに16インチアルミホイールが装着され、それ以外には17インチアルミホイールが装着されるが、「Acenta」にはエレガンスアルミホイールが装着され、「Tekna」には日本仕様車と共通デザインのスポーツアルミホイールが装着される。「Acenta」には「Visia」に加えてフォグランプなどが装備され、最上級グレードの「Tekna」には加えてオートライトやインテリジェントキーシステム、雨滴感知式ワイパーなどが装備される。
2011年9月にはジュークの発売1周年を記念して、欧州全体で2,800台限定の特別仕様車「KURO」が発売された。ドアミラーやドアハンドルが黒に塗装され、17インチアルミホイールも黒色のものが装着される。また、2012年1月10日には新たに特別仕様車「SHIRO」が発売された。このモデルにはホワイトセンターコンソールや専用レザーシート、ダークグレーアルミホイール、シルバードアハンドルが装着された。これらはいずれも最上級グレードの「Tekna」をベースとしている。
2012年9月にはミニストリー・オブ・サウンドと共同開発した特別仕様車「JUKE with MINISTRY SOUND」が3,000台限定で発売された。このモデルには専用設計の音響が装備されるほか、外装ではホワイトドアハンドルとホワイトドアミラーが装着される。
米国仕様車には下から「S」、「SV」、「SL」の3グレードが用意され、いずれもMR16DDT型エンジンが搭載され、CVTが組み合わせられるほか、「SV」と「SL」のFF車には6速MTがオプションで設定されている。駆動方式は、すべてのグレードにFFと4WDが用意される。中間グレードの「SV」には「S」に加えてインテリジェントキーシステムやサンルーフなどが装備され、最上級グレードの「SL」には加えてオートライトやフォグランプ、カーナビゲーションシステムなどが装備される。2018年3月、北米市場向けのラインアップから消滅した。
カナダ仕様車には下から「SV」、「SL」の2グレードが用意され、いずれもMR16DDT型エンジンが搭載され、AWD車にはCVTが標準装備で組み合わせられるほか、FF車には6速MTが標準で、CVTがオプションで設定されている。駆動方式は、すべてのグレードにFFとAWDが用意される。全グレードで、ステアリング上にBluetooth接続のハンドフリーフォンとオーディオコントロールのボタン操作と日本仕様車のSパックに相当するカーテンエアバッグシステムが標準装備となっている。上級グレードの「SL」には「SV」に加えてインテリジェントキーシステム、フォグランプ、オートエアコン、サンルーフなどが装備され、カーナビゲーションシステム、アップグレードスピーカー、レザーシートなどがパッケージでオプションとして選べる。
日本仕様車は2013年2月19日に発売され、欧州仕様車も2013年初頭に発売される。予約受付開始は同年2月1日。第42回東京モーターショー(2011年開催)で発表された高性能スポーツモデルである。「16GT FOUR Type V」をベースに、フロントバンパーは両サイドをワイド化し、専用のハイマウントストップランプ付のルーフスポイラーを装着することにより空気抵抗を低減すると共にダウンフォースを向上したことで走行安定性を高めた。インテリアは黒を基調として随所にレッドを用いた専用インテリアを採用。
エンジンはターボチャージャーの過給圧制御にチューニングが施され、出力・トルク共に高め、エクストロニックCVTは7速マニュアルモードのギア比をクロスレシオ化された。さらに、18インチワイドタイヤ+専用18インチアルミホイールや欧州でチューニングされた専用サスペンションの採用によりハンドリング性能・乗り心地・高速安定性のトータルバランスを高めた。その他、キセノンヘッドランプや運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム、SRSカーテンエアバッグシステム、後席左右アシストグリップも標準装備された。
2014年11月に発表された「NISMO RS」では、「16GT FOUR」をベースに、エンジンはベース車と同じMR16DDT型ながら、ECUのセッティングをさらに改良し、コンロッドベアリングの耐久性を高めることで高回転域でも力強いトルクの持続を可能にする専用チューンを施すことで最高出力を24PS(17kW)、最大トルクを1.0kgf・m(10N・m)向上。エクストロニックCVTは8速マニュアルモード付(エクストロニックCVT-M8)とし、パドルシフトも採用した。ブレーキシステムはフロントブレーキローター径を拡大し、リアにベンチレーティッドディスクを採用するとともに、キャリパー性能やブレーキパッドの耐フェード性なども向上することでスポーツドライビング時の高レベルな制動フィーリングを実現。アルミホイールは「NISMO」同様、18インチにサイズアップしながら、形状最適化によって軽量化された専用品の採用によりばね下重量を軽減した。また、サスペンション、「ALL MODE 4X4-i」のトルクベクトル機能、車速感応式電動パワーステアリングもエンジンの高出力化に合わせてチューニングを施した。シートはRECAROとの共同開発により、NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシートを採用した。
2015年11月には、「NISMO」がエクステリアやインテリアを中心に「NISMO RS」との共通装備を多く採用しつつ、エンジンやトランスミッションをベース車の「16GT FOUR」と同じ仕様としたスタイリッシュモデルとして装いも新たに発売された。新仕様の「NISMO」では専用装備として、専用スウェード調シート(nismoロゴ入り、レッドステッチ付)を採用したほか、シフトノブとシフトベース回りの専用フィニッシャーにインテリジェントコントロールディスプレイダイヤルスイッチの専用フィニッシャーと同じ色のダークメタリックを採用。さらに、専用車速感応式電動パワーステアリングや専用サスペンションも搭載した。
2010年型の日産・GT-RのVR38DETTをジュークに移植したワンオフモデル。名称は2011年10月4日に正式発表された。同年10月25日、スペインのマラガで開催されたキャシュカイのプレス向けイベントで、イベントの最後にサプライズとして初公開された。
「世界最速のクロスオーバー」を目指し、日産テクニカルセンター・ヨーロッパで開発された。エンジンだけでなくドライブトレインや4WDシステム、ブレンボ製のディスクブレーキやRAYS製アルミホイール、さらにはステアリングやメーター類、マルチファンクションディスプレイなどの内装もGT-Rから移植され、中身はほとんどGT-Rとなっている。高出力のエンジンに合わせてボディは強化され、FIAの安全基準を満たすロールケージやバケットシート、5点式シートベルトが装備されている。また、公道走行に必要な法規を満たすよう設計されている。
ワンオフモデルの走行性能は、0-100km/h加速が3.7秒、最高速度が257km/h。通常のジューク(4WD、欧州仕様)の走行性能が、0-100km/h加速8.6秒、最高速200km/hなので、大幅にパワーアップしていることがわかる。ちなみに2010年型のGT-Rは0-100km/h加速が3.5秒、最高速度が311km/hとなっている。
ジュークRは2012年のドバイ24時間耐久レースでペースカーを務めた。また、ジュークRがランボルギーニ、フェラーリなどのスーパーカー相手に、圧倒的なパフォーマンスを発揮する動画が動画共有サイトで公開され、高いパフォーマンスをアピールしている。
発表当初は市販化の予定は未定だったが、2012年5月3日、欧州日産がジュークRの限定生産を正式に決定した。市販モデルには2012年型GT-Rのドライブトレインが搭載され、出力が487PSから553PSまで向上する。欧州日産のプレスリリースによると、最初の3台が2012年夏頃にオーナーへ引き渡されるという。
2015年6月25日、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて外装の変更や出力の600PSへの向上などがはかられた発展型である「ジュークR 2.0コンセプト」が披露された。
車名のジュークは英語で「(アメリカンフットボールなどにおいてディフェンスを)軽快にかわす」という意味であり、機敏さや前向きさという意味が込められている。
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