ロードインデックス(以下「LI」とします)は耐荷重能力を示す指標ですが、いくつか規格があります。
日本のタイヤはJATMA規格、欧州はETRTO規格、米国はTRA規格となっていて、メジャーなタイヤメーカーはこれらの規格団体に加盟しています。
但し、中国系アジアンタイヤ等はいずれにも属しておらず、独自の規格のLIが組まれていますのでご注意ください。
LIは、タイヤ内の空気の容積が大きいほど、高い耐荷重能力があるものとして、より高い値のLIが形式的に割り当てられます。
インチアップとすると車輪全体ではホイールの体積が増える代わりに、タイヤ内の空気の容積が減ります。
よってインチアップするとLIの値が下がるわけです。
また、同じLIでも空気圧を高めることにより、より高い耐荷重性能を得られます。
なので下がったLIを補うために空気圧を高めるのですが、一般的なスタンダードタイヤは最大240kPa(JATMA)~250kPa(ETRTO スタンダード)までしか耐荷重性能が保証されていません。
なので、ETRTO規格でさらに高い空気圧に耐えられるように「エクストラロードタイヤ」というものを設定しています。
エクストラロード規格の場合は290kPaまでの性能が保証され、タイヤサイズの最後に「XL」という文字が入ります。
同じLIでスタンダードタイヤと同じ耐荷重性能を得るには、エクストラロードタイヤの方が高めの空気圧(20~30kPa)が必要とされています。
◆ 空気圧の設定 LI=92XLに関しては、最大空気圧290kPaで1輪当たり630kgの耐荷重性能、LI=97XLは730kgまでの耐荷重性能が保証されています。
便宜上単純計算しますが、630kg×2本+730kg×2本ということは大よそ4本で2,720kgの重量に耐えられるということですね。
従って、IS250にとっては十二分な耐荷重性能をもったタイヤです。
次に車検証をご覧ください。
IS250(DBA-GSE20)でしたら、「車両総重量」(車両重量ではない)は約1,900kg程度だと思います。
また、車検証には「前前軸重」と「後後軸重」の重量が書かれており、その合計値は「車両重量」になっています。
これを用いて前後輪の重量配分を計算し、「車両総重量」での前後の荷重算出します。
例) 仮の値です A→ 車両総重量 1,845kg B→ 車両重量 1,570kg C→ 前前軸重 816kg D→ 後後軸重 754kg E→ C:D = 52:48 F→ A(1,845kg)をEの比率に配分 → 52:48 = 959kg:886kg よって・・・ 前輪=959kg/2本 =480kg/本 後輪=886kg/2本=443kg/本 上記が最低限満たさなければならない耐荷重性能ということになります。
実際には10%ほど余裕が欲しいので前輪は耐荷重530kg以上、後輪は490kg以上あると安心という感じです。
ここで、ロードインデックス表が必要になります。
ETRTO エクストラロード規格のものを用意します。
<LOAD INDEX ETRTO XL> http://www.autoway.co.jp/asp/photo/auction/attention/etrto_xl.html 92XL で 530kg以上 240kPa 97XL で 490kg以上 180kPa となっていることをご確認いただけると思います。
そして、結論としては ・・・ 前輪は240kPa~290kPa 後輪は180kPa~290kPa の間で自由に選んでよい・・・というのが答えです。
というのは、純正のタイヤで同じ算出方法をしても、最低限の耐荷重能力を満たす空気圧にはなっておらず、それよりもかなり高めの空気圧を指定されているケースが多いです。
純正指定空気圧というのは、タイヤメーカーと自動車メーカーがテストを繰り返して、運動性能や乗り心地、燃費性能のバランスを見て設定した空気圧です。
なので同じサイズでもタイヤ銘柄が変わっただけで、指定空気圧が変わってしまう程度のものだと思ってください。
例えば、スタンダードタイヤであれば240kPaまでが性能保障なのですが、IS250はそれを超えて260kPaが指定空気圧になっていますよね? 恐らく、それぐらい高めないとグリップしすぎてアンダーステアになるなどの理由があるのだと思います。
したがって、参考値としては、純正の前輪240kPa、後輪260kPaの空気圧を基準値とするのはよいと思います。
最近では燃費をよくするために高めの空気圧を設定する傾向にありますが、だからといって290kPaにすると乗り心地が悪化するほか、グリップ性能が低下する恐れがありますので、純正指定を基準に少し高めるなど好みの値をご自身で決めてよいと思います。