どの程度の回答を期待しているかわからないから、一番単純化した回答をします。FRのドリフトに限定していいですね? 結論からまず言うと、グリップ走行しているFRは円運動の接線方向にしか駆動力をかけられない(図3)のに対して、ドリフトアングルのついたFRは、接線方向の内側に向けて駆動力をかけており、それと釣り合っている(図4)ということです。 まず円運動の復習です(図1、2)。直線運動している物体に運動方向と垂直の力が加わることで円運動が始まる。等速円運動している物体なら等速円運動に、加速している物体なら加速円運動になります。ハンマー投げのイメージです。 図3、この原理は自動車も同じです。自動車の場合、ステアリングを切るとまず前輪、ついで後輪にコーナリングフォースが発生し、これが垂直方向の力となって円運動を始めます。ただし自動車の場合、走行抵抗(茶)がありますので等速円運動を行うためには、走行抵抗に等しい駆動力(青)をかける必要があります。走行抵抗を上回る駆動力をかけると、加速円運動を行います。 図4、ドリフトの場合、リアはブレイクして滑っており、フロントもカウンターを当てているので、図3に比べて、コーナリングフォースは減少しています。さらに走行抵抗も増大しています。このままでは図3の走行状態を維持できませんが、幸い?後輪は旋回軌道の内側を向いておりますので、ここでパワーをかけてやると(青)、その角度と大きさによっては図3と同じ運動状態を保つことが可能となります(図5)。 次にカウンターの説明です。車の旋回運動を考えるときは、月のように、公転と自転の両方を考える必要があります。 上記の説明は公転に関する説明で、自転に関する説明とはヨーモーメントのことです。この場合、リアのグリップは低下し、上からみて重心回りに反時計回りのヨーモーメントが発生しています。駆動輪のトラクションの左右差も関係します。このヨーを打ち消すためにカウンターを当ててバランスをとります。そうしなければスピンを起こします。 このようにドリフト状態にある車は、CF、走行抵抗、駆動力の分力、重心回りのヨーモーメント、それらが絶妙にバランスしている状態です。横着して4輪まとめて包括的に説明しましたが。 最後の質問、アクセルを開けると旋回半径が大きくなる理由ですが、バランスさえしていれば、円運動する質点と同様に考えて差し支えありません。加速すれば回転半径は大きくなります。通常のグリップ走行では、ステアリングを切り足すことで旋回半径を保ちますが、カウンターを当ててる状況でそれはできません。必然的、結果的にカウンター量も大きくなります。