DCTを湿式にして、トルコンを組み合わたら... いわゆる「普通のAT」と、ほとんど変わらなくなります。 普通のATも、湿式のクラッチとトルコンを介して動力を伝達していますので、違いは、クラッチの形状と配置方法のみです。 ロックアップクラッチも当然あるでしょう。もし、ないとすれば、燃費の悪化要因となります。 DCTが登場した当時は、乾式クラッチの滑りを使ってクリープを作り出すことで伝達経路からトルコンを排し、伝達効率が良いことがメリットだとされていたのですが、結局、耐久性の問題を克服できずに湿式化し、トルコンを積むことになってしまったのでDCTのメリットはなくなってしまいました。 日本のメーカーがDCTに冷淡であった理由は、結局このような結論に辿り着くだろうと読んでいたからです。 変速ショックや耐久性の問題を克服しようとすると、結局、DCTは普通のATと同じような機械要素の組み合わせに行き着いてしまい、単なるレイアウト変更の問題に過ぎなくなる、と最初から見ていたのです。 ホンダの場合、内製している普通のATが少し変わった機構を採用しており、既存の生産設備を活かしながら多段化を進めるにはDCTの方が都合が良い、という特殊事情があって採用したに過ぎません。 そのような事情のない他メーカーにとって、わざわざDCTに多額の開発費を投入する合理性は見当たらないということです。