匿名さん
元巨人の富田晴吾投手を知ってますか? 1969年 「まあ見ていてくださいよ」とアドバルーンをあげているのは北川コーチだ。
「投げるときのバランスがすごくいい。
制球力は抜群だし、球は速い。
キャンプのはじめに左足を故障したため、ランニング不足。
さらに卒業試験のため十日間ほどブランクがあったので、いまはできあがりは五分というところ。
島野や松原よりだいぶ遅れているが、そのうちグングンのしてくることは間違いないよ」といやに買っている。
北川コーチばかりではない。
中尾二軍監督は「これおど投手としてのセンスを持ってる男もいない」といい、武宮コーチは「フォームに変なクセがない。
実にすなおな投げ方をしているよ」と大変なほれ込みよう。
富田はIBMに就職を決めていたが、昨年のドラフト会議で巨人に十番目に指名され、プロ入り。
中大法学部を間もなく卒業するが、野球部出身ではない。
作家・藤原審爾氏がオーナーをしている準硬式リーグの名門藤原チームのエースだった。
オーナーみずからすすんで熱っぽくその実力を語る。
「パーフェクト・ゲーム二回、ノーヒット・ノーラン四回、四日間で六試合完投したスタミナもある。
マウンドを富田にまかせておけば、もう負ける気がしなかった。
チームをつくって十年目になるが、まあ、こんなピッチャーはもう出てこないね。
ぼくの夢である全国制覇(は)を一度するまで、手放したくなかったんだが、巨人さんがどうしてもほしいというので・・」と残念そう。
軟式からプロ入りして成功した例では大友(巨人ー前中日コーチ)土橋(東映コーチ)などがある。
ボールの違いにまずとまどうものだが、富田は「硬球の方が小さい感じがするし、指のひっかかる部分が多いので伸びが出るし、変化がつく」といっている。
都城キャンプでは下半身の鍛錬に重点をおいた。
「やっとプロの練習についていけるからだになったところ」(北川コーチ)だ。
もともと大きな鋭いカーブを持っていたが、シュートもおぼえた。
キャンプのはじめは自信なさそうに沈んでいた富田も「みんなといっしょにやっているうちにやれそうな気がしてきました」といまは元気にとびはねている。
1㍍76、73㌔、左投左打、中大出、二十二歳。