元東映の橋詰文男投手を知ってますか? 1964年 一口にリリーフといっても、大きく分けると、ロングとショートの二つに

元東映の橋詰文男投手を知ってますか?  1964年  一口にリリーフといっても、大きく分けると、ロングとショートの二つに

元東映の橋詰文男投手を知ってますか? 1964年 一口にリリーフといっても、大きく分けると、ロングとショートの二つに分かれます。そのうちボクには、ショートのほうが適しています。なぜか? となると、説明しにくいのですが、プロ入り以来そうした使われ方をしてきたから、慣れ切ったせいかもしれません。学生時代は、もちろん「完投主義」でしたが、カーブさえ投げていればまず大丈夫だったからです。ところがプロは、そんな具合に簡単にいきません。目先きをかえて、いろいろな球を投げるわけです。それでもボクの球が、もっとスピードがあれば、ロング・リリーフか、完投も夢ではなくなるのです。がなにせスピードが足りないのです。しかも無理してスピードを出そうとすると、手ごろになったり、球のキレがかえって悪くなります。そこでロング・リリーフは、よほど好調でない限り、うまくゆかないのです。やっぱり好きなのはショート・リリーフです。このショート・リリーフの中にも、①ワン・ポイント、と②このイニングのケースと、③2イニングの場合があります。しかしこれなら、どちらでも十分いける自信を持っています。あらかじめ監督から指示が出ますが、かりに指示がなくても、ブルペンにいて三つのうちのどのケースかは、状況次第ですぐわかります。というのは、ボクの場合は「左打者用のリリーフ」が多いから、このときの左打者だけか、それとも次に右がいて、また左がいる場合はそこまでとか、すぐピーンときます。以上のような関係から、ボクは重点的に左打者(関根、榎本、ブルーム、杉山さんなど)を、研究することになります。初球からよく打ってくるひと、杉山さんのように、なかなか打たないひと、打ち気のときは表情が違う関根さん、カーブばかりをよく狙ってくるひと・・・など、十分知っておかねばならない材料です。案外左打者に、カーブを打たれているのは、打者がシュートを捨ててカーブを狙っているか、それともカーブの数が、シュートや落ちる球より、多いせいかもしれません。ところで、登板時機は、大抵ランナーがいるピンチです。だからブルペンの準備も、圧倒的にセット・ポジションです。捕手にも、投球のキャッチボールがすんだら、すぐ構えてもらって、ただちに変化球の練習に入ります。大抵20球ほどの練習で、準備OKです。最初にお話した通り、学生時代はこんなふうでなかったのですから、習慣さえつければ、大抵のひとが少ないウォーミング・アップでいけるようになるはずです。しかし問題は、過不足なしの練習量が、一番大切です。だから試合の状況判断が、肝心な要素です。待ちくたびれては精神的にイライラするし、実際肩も冷えます。あくまで、グッド・タイミングの選定が、成功のカギともいえましょう。更にもう一つは、第一球(またはファースト・ストライク)が勝負の半分をにぎる、ということです。そこで、バッターが極端に打ち気にきているときは別にして、まずストライクをとって、打者を追い込む自信を持つことです。しかも、そのストライクは、どんな変化球でもとれてこそ、効果が大きいのです。こうして打者より気分的に優位に立つと、失点を妨げて、火消しの役が務まることが多いのです。ことしもボクは、リリーフで頑張ります。

橋詰選手は同志社大学にて関西六大学リーグで通算61試合に登板し25勝16敗、防御率1.54、212奪三振の成績を挙げて、卒業後の1960年に東映へ入団しましたが、5年間で11勝13敗の成績に終わり1965年に引退しました。

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元東映の橋詰文男投手を知ってますか? 1964年 一口にリリーフといっても、大きく分けると、ロングとショートの二つに分かれます。そのうちボクには、ショートのほうが適しています。なぜか? となると、説明しにくいのですが、プロ入り以来そうした使われ方をしてきたから、慣れ切ったせいかもしれません。学生時代は、もちろん「完投主義」でしたが、カーブさえ投げていればまず大丈夫だったからです。ところがプロは、そんな具合に簡単にいきません。目先きをかえて、いろいろな球を投げるわけです。それでもボクの球が、もっとスピードがあれば、ロング・リリーフか、完投も夢ではなくなるのです。がなにせスピードが足りないのです。しかも無理してスピードを出そうとすると、手ごろになったり、球のキレがかえって悪くなります。そこでロング・リリーフは、よほど好調でない限り、うまくゆかないのです。やっぱり好きなのはショート・リリーフです。このショート・リリーフの中にも、①ワン・ポイント、と②このイニングのケースと、③2イニングの場合があります。しかしこれなら、どちらでも十分いける自信を持っています。あらかじめ監督から指示が出ますが、かりに指示がなくても、ブルペンにいて三つのうちのどのケースかは、状況次第ですぐわかります。というのは、ボクの場合は「左打者用のリリーフ」が多いから、このときの左打者だけか、それとも次に右がいて、また左がいる場合はそこまでとか、すぐピーンときます。以上のような関係から、ボクは重点的に左打者(関根、榎本、ブルーム、杉山さんなど)を、研究することになります。初球からよく打ってくるひと、杉山さんのように、なかなか打たないひと、打ち気のときは表情が違う関根さん、カーブばかりをよく狙ってくるひと・・・など、十分知っておかねばならない材料です。案外左打者に、カーブを打たれているのは、打者がシュートを捨ててカーブを狙っているか、それともカーブの数が、シュートや落ちる球より、多いせいかもしれません。ところで、登板時機は、大抵ランナーがいるピンチです。だからブルペンの準備も、圧倒的にセット・ポジションです。捕手にも、投球のキャッチボールがすんだら、すぐ構えてもらって、ただちに変化球の練習に入ります。大抵20球ほどの練習で、準備OKです。最初にお話した通り、学生時代はこんなふうでなかったのですから、習慣さえつければ、大抵のひとが少ないウォーミング・アップでいけるようになるはずです。しかし問題は、過不足なしの練習量が、一番大切です。だから試合の状況判断が、肝心な要素です。待ちくたびれては精神的にイライラするし、実際肩も冷えます。あくまで、グッド・タイミングの選定が、成功のカギともいえましょう。更にもう一つは、第一球(またはファースト・ストライク)が勝負の半分をにぎる、ということです。そこで、バッターが極端に打ち気にきているときは別にして、まずストライクをとって、打者を追い込む自信を持つことです。しかも、そのストライクは、どんな変化球でもとれてこそ、効果が大きいのです。こうして打者より気分的に優位に立つと、失点を妨げて、火消しの役が務まることが多いのです。ことしもボクは、リリーフで頑張ります。

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