レクサスIS300h(L)のAWD(トルセンLSD)の冬の雪道の走行性能について工学的に教えてほしいです。 車重は前が約

レクサスIS300h(L)のAWD(トルセンLSD)の冬の雪道の走行性能について工学的に教えてほしいです。 車重は前が約

レクサスIS300h(L)のAWD(トルセンLSD)の冬の雪道の走行性能について工学的に教えてほしいです。 車重は前が約840kg、後ろが930kgくらいで、後部座席には誰も乗せない予定です。 現在、納車前の状況でして、しばらくは東京で乗りますが、将来、冬の北海道の市街地、高速道路、山道などを走ることもイメージしています。 そのような雪道走行の場合、どのような長所と短所がありますか? ちなみに私は元道民(豪雪地や極寒地の)でして、当時は、フルタイム4WDのRV車(輸入車)に乗って、冬の山道や高速道路などを走っていましたが、今回は、初の国産ハイブリット車(しかもセダン)ということで、少し心配しています。 車の性能を正しく理解した上で、道民らしく安全に走行するつもりです。 また、普通の高速道路などでの走行では、AWD(トルセンLSD)車として、何か特徴はありますか? 車の性能に大変お詳しそうなので、恐縮ながらリクエストさせていただきました。 お時間のあるときで大丈夫ですので、よろしくご教示のほどをお願いします。

ご質問ありがとうございます。 最初に結論から申し上げておくと、高性能なスタッドレスを履いていれば、圧雪路やアイスバーンでは全く問題なしです。むしろ雪道ではかなり高性能な部類のクルマですのでご安心ください。但し、雪の深い道になるとSUVのようにはいきません。 ご不安もあると思いますので、まずは一般論としての雪道の優劣を要素別に説明いたします。お役に立てる情報になれば幸いです。 ■ 重心が低いほど有利 走る、止まる、曲がるという基本性能は重心が低いほど有利です。これは雪道等の滑りやすい路面ほど顕著に表れます。 重心が高いほどコーナリングが不利になることはよく知られていますが、重心が高いと、ブレーキング時は前輪に荷重が偏りやすく、登り坂の発信時等では後輪に荷重が偏りやすいです。四輪全てのグリップが生かしにくいわけです。それゆえ、重心が高いミニバンやSUVは雪道では物理的なハンディを背負っています。それに対してISは重心低いので滑りやすい路面ではその素性が有利に作用します。 ■ 最低地上高 雪道では、一般的に最低地上高は高い方が有利です。雪が積もった路では車両の底面が雪に乗り上げ進行不能になる恐れがあるからです。この点、最低地上高のあるSUVは有利です。IS等の乗用セダンは、仮に四駆であっても深雪のラッセル走行は不得意です。しかしながら、最低地上高が上がると重心も高くなってしまうため運動性能には不利に作用します。このように重心と最低地上高とは困ったことに相反関係にあります。 ■ 車両重量 雪道を速く走るには、車両重量は軽い方が有利です。軽ければ加速、旋回、制動、いずれもより高い次元の運動性能が得られます。特に圧雪路やアイスバーンでは顕著ですね。同じ車種でも、4WD仕様よりも2WD仕様の方が制動距離が短いのも2WD仕様が軽いのが主因です。 しかし、雪道というのは難しいもので別の力学も作用します。例えば、積雪路で車体の底が雪に乗り上げても、車体が重たいほど車体の底面の雪を押し潰す力も大きく、また慣性重量により、雪の塊を破壊する力を持ちます。これゆえ、深雪のラッセル走行は重たく最低地上高の高いクロカンタイプの四駆が強みを発揮します。また、雪道のグリップは路面への圧力(1平方cm当たりの路面圧力)が高いほど有利です。その点についても、重たいSUVが雪道に強いといわれる所以です。しかし、それは斜度が少ない路面までのお話です。というのは、斜度が急になるほど路面圧着に作用していた重力は、車体を坂下に落下させるエネルギーの方に大きく作用するようになるからです。これは重心が高いほどさらに強く作用します。これゆえ、乗用車タイプの四駆が坂道発進できるアイスバーンをSUVが登れないシーンや、アイスバーンの下り坂でガードレールに突っ込むクロカンを見かけるシーンが多いわけです。よく雪道には重たいほうが強いとか軽いほうが強いといった意見が錯綜しますが、上記のようにそれぞれメリット・デメリットがありますので、要素分けして判断する必要があります。 IS300hに関しては、ハイブリッドシステムも組んでいるため車両重量1770kg、車両総重量2045kgというSUV並に重たい車重となっています。この点、特に下り坂のブレーキング等では注意を要します。クルマの欠点を知っておけば未然に危険を回避できます。 ■ 車輪が大きいほど有利 雪道やラフロードでは車輪が大きい方がスタックしにくいです。障害物や凸凹が車輪回転の妨げになりにくいからです。また、車輪が大きいと、車軸から路面までの距離が稼げるため最低地上高もとりやすいです。これゆえ、クロカンやSUVは大きな車輪を装着しています。一方、IS等の乗用セダンは車輪が小さいので、圧雪路やアイスバーン等の起伏のない道では問題ないのですが、路面が荒れて起伏が出てくるとSUVに比べて不利になります。 ・・・ ここまでのところは物理的な原理原則のお話です。それぞれ車両の条件によって素性として得意なシーンと不得意なシーンがあります。しかし、同じ四駆でも「やっぱりスバルが最強」などというような意見があったりして、上記の物理的素性とは別の要素でも雪道での優劣が存在します。ここから先は、さらに踏み込んで、四駆システムや電子デバイスについて説明していきます。 ・・・ ■ センターデフ式フルタイム4WD IS300hに搭載されている四駆システムは、「センターデフ式フルタイム4WD」に分類されるもので、現存する機械式四駆システムの中では最良の部類に属します。さらに、IS300h AWD用のシステムは、トヨタがFRハイブリッド車専用に開発した四駆機構となっています。同じシステムはクラウンハイブリッド四駆モデルにも搭載されています。このシステムの詳細に入る前に、まずは「センターデフ式フルタイム4WD」の仕組みを簡単に説明しておきます。 例えば、2WDでは左右の駆動輪の間にデフギアがありますが、これはコーナーでの左右輪の回転差をスムーズに差動調整してくれる優れものです。エンジンからの出力は一度デフギアが受けて左右輪にトルクが分配されます。一方、デフギアには片輪が空転するともう一方の車輪には駆動力が伝わらなくなる欠点もあります。このような素の差動状態のデフギアを「オープンデフ」と呼びます。これでは雪道やスポーツ走行で片輪が空転すると前に進まないので、空転した車輪とは反対側の車輪に駆動力を伝えるように制御をするデフギアが開発されました。それが「LSD(リミテッド・スリップ・デフ」なのですが、LSDには「機械式」「ビスカス」「ヘリカル」「トルセン」等、色々な種類があります。「トルセンLSD」は、株式会社ジェイテクトが開発した「トルク反応型LSD」です。左右の駆動輪の差動制御にトルセンLSDを採用している事例は、スポーツ車両に多く見られます。 この左右駆動輪に利用しているデフギアを、前後輪の差動に利用したのが「センターデフ式フルタイム4WD」です。従って、エンジンの出力は一度センターデフが受けて、そこから前後輪にトルク分配をします。このセンターデフがオープンデフだと、前輪が空転すると後輪にトルクが伝わらなくなるというデフギアの欠点が出てしまいます。なので、各社このセンターデフにLSDを用いて走破性を高める工夫をしています。LS300h AWDの場合は、このLSDに「トルセンLSD」を利用しているわけです。 ■ LS300h AWD の四駆システム トヨタやアウディでは、エンジン縦置4WD車のセンターデフにトルセンLSDを使用するケースが多く、後輪偏重トルクとなっています。LS300h AWDの場合は、通常は前後輪のトルクを40:60で配分し、FRに近いコーナリング特性を持ちます。そして前後輪に回転差が発生するとLSDが作動し、走行条件に応じて前後輪に50:50から30:70の間で瞬時にトルク配分を行います。 この4WDシステムをベースに、トヨタのVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)が統合制御を行っています。ABS、VSC(横滑防止装置)、TRC(トラクションコントロール)、アクティブステアリング等の電子デバイスを組み合わせて車両制御を行います。例えば、コーナーでアンダーステアが出て膨らんでしまった場合には、内輪に強くブレーキをかけてオーバーステアの挙動で打ち消し、ニュートラルステアへ制御します。また、コーナーで後輪片輪が空転すると空転した車輪にブレーキをかけて反対側の車輪の駆動を確保します。全力ダッシュで車輪が空転するとエンジン出力を絞って車輪の空転を抑制します。これらを同時に演算処理するため、かなり高度な制御を行うことが可能です。 ■ その他、トヨタの4WDシステム トヨタのハイブリッドの四駆には、このほかに「E-Four」というシステムがあり、エスティマ、ハリアー、プリウス等に搭載されています。これは前輪にはエンジンが直結しており、後輪はモーターで駆動するというものでプロペラシャフトを持たない「モーター式4WDシステム」です。LS300h AWDはモーターの出力もエンジンの出力もセンターデフにつながれますので、E-Fourとは根本的に異なる仕組みです。 また、トヨタで最も多いのはエンジン横置FF車用の「アクティブトルクコントロール4WD」というもので、これはいわゆる「スタンバイ式4WD」に分類されるもので、性能が簡素な代わりに軽量安価に4WD化できるのがメリットです。エンジンの出力は前輪に直結しており、前輪が滑る等して前後輪に回転差が発生すると、前後輪をつなぐ装置の油圧が高まり後輪への駆動力が発生し始めるという仕組です。「ダイナミックトルクコントロールAWD」というのは、これに電子デバイスを統合制御してものです。 大変長くなり申し訳ありません。IS300h AWDがトヨタの中でも高性能な四駆システムであり、クルマの素性が持つ運動性能からしても決して雪道が不得意なクルマではないことがご理解いただけると思います。既述の欠点のみ質問者様が把握されていれば、きわめて快適なスノードライブを楽しめると思います。是非、楽しんでくださいね。その他ご不明な点などございましたら追加でご質問ください。

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レクサスIS300h(L)のAWD(トルセンLSD)の冬の雪道の走行性能について工学的に教えてほしいです。 車重は前が約840kg、後ろが930kgくらいで、後部座席には誰も乗せない予定です。 現在、納車前の状況でして、しばらくは東京で乗りますが、将来、冬の北海道の市街地、高速道路、山道などを走ることもイメージしています。 そのような雪道走行の場合、どのような長所と短所がありますか? ちなみに私は元道民(豪雪地や極寒地の)でして、当時は、フルタイム4WDのRV車(輸入車)に乗って、冬の山道や高速道路などを走っていましたが、今回は、初の国産ハイブリット車(しかもセダン)ということで、少し心配しています。 車の性能を正しく理解した上で、道民らしく安全に走行するつもりです。 また、普通の高速道路などでの走行では、AWD(トルセンLSD)車として、何か特徴はありますか? 車の性能に大変お詳しそうなので、恐縮ながらリクエストさせていただきました。 お時間のあるときで大丈夫ですので、よろしくご教示のほどをお願いします。

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