私の大好きな1970年代を代表する2人ですが、どちらかを選ぶのならハーリー・レイスです。
1969年2月にドリー・ファンク・ジュニアがジン・キニスキーを破り第46代NWA認定世界ヘビー級チャンピオンになってプロレスの歴史は変りました。
それまでの大技一発で試合が決まっていた時代から、複雑なテクニックの積み重ねで勝利に結び付ける時代になったのです。
ジュニア以外で1970年代の黄金時代にNWAが認定する世界ヘビー級チャンピオンに君臨したのが、ハーリー・レイス、ジャック・ブリスコ、そしてジュニアの実の弟であるテリー・ファンクなのです。
ジュニアとブリスコが同じタイプなので、レイスとテリーが同じタイプになると思います。
2人ともラフアンドテクニックのレスラーなのですが、レイスのレスリングはテリーよりも奥が深く、それがNWA世界王座に君臨した期間もテリーと比較して圧倒的に長くなった主要因だと思います。
レイスは受身が上手で、ジャイアント馬場選手に言わせると、無理をせずポンポン投げられながらもタイミングを計って攻勢に転ずることも出来るレスラーで、どんなタイプのレスラー相手でも名勝負出来る職人でした。
テリーは父のドリー・ファンク・シニアと兄ジュニアを尊敬していて、兄ジュニアが世界王者になったときに世間が『鳶が鷹を産んだ』と揶揄されたので、テリーは『オレはそれなら大鳶になってやる』と努力しました。
テリーは気持を全面に出すレスリングで私たちを魅了してくれましたが、レイスと比較すると持っている引き出しの数が違ったと思います。
しかしながら2人とも1970年代を代表する超一流の名レスラーです。