プリウスのハイブリッドシステムは、独特な動力分割機構を採用しています。
19年前の技術で基本設計され、当時の制御技術では容易ではなかったエンジン出力とモーター出力のリニアな合成をプラネタリーギヤを用いて物理現象を使って制御したものです。
制御技術としては現代から比べると低いレベルですが、当時の技術を上手く使って実現できたところに価値があります。
エンジン出力の一部は常に発電機に分配され、発電した電力でモーター駆動します。
一方、e-Powerは完全なシリーズ型ハイブリッドシステムで、エンジンは発電のみに専念し、発電した電力でモーター走行する一種の電気自動車です。
システムの原型は一番古く、ディーゼル機関車が数十年も前からこのハイブリッド構成です。
なぜ今、三菱OutlanderPHEVやホンダi-MMDやe-Powerがこの方式を使ったかは、原理的に優秀でも部品製造や制御技術に困難な点があったからです。
特に、高出力で小型軽量なモーターは、この十数年で目覚ましい進化がありました。
部品コストも下がり、シリーズ型ハイブリッドシステムが実用できる時代となり、いろんなメーカーが採用し始めています。
日産は既にリーフで電気自動車を開発し、量産小型エンジンも持っています。
その既存部品を集めて開発したのがe-Powerです。
手持ち技術で開発期間を短く開発費を削減したので、他社のような高速域でのモーター非効率状態の対応を行わないと割り切っています。
試乗してみましたが、かなり精巧な制御をしています。
物理現象を主体としたハイブリッドシステムとは異なり、管理した上での制御が成されているように感じました。
今後は、もっとシリーズ型ハイブリッドシステムモデルが増えて行くのではないかと思います。