元大映の滝良彦投手を知ってますか? 1957年 オールスター戦後肩をこわし不調だった滝も久し振りに会心のピッチング。この夜はとりわけコントロールがよく、無四球、内外角にシュート、カーブ、スライダー、ドロップとあらゆる球種を投げわけて技巧派投手の本領を発揮した。ベンチに引きあげてきた滝は僚友の握手攻めですこぶるごきげん。「きょうははじめから肩の調子もよく思うコースに球が入った。追い風だったので、フライを打ちあげてヒットにならないと思って安心して投げた。気分的にも味方の先取点で最後まで楽だった。ただ九回のピンチには少しばかりドキッとしましたよ。一点差ですからね。東谷さんに打たれたのはアウトコースのストレート、それでも浜田さんがスクイズをしないと思ったのでアウトコースのスライダーで攻め、つぎの前川さんはバントを失敗したので、これは大丈夫とやはりアウトコースにつり球を投げたらひっかかった。最後の毒島さんは流そうとしたのでドロップで勝負した」とこの夜のピッチングを語る。八回に代打に出た岩本監督を三振にとったときは「いやな気持でしたね。明らかにホームランをねらっているんだから。しかし2-3から思い切ってボールを投げたらうまく空振りした」という。