前のご質問の続きから。意訳です。 「トレーニングの面では、彼女は(今は)とてもハッピーだと思います」と佐藤は言う。「怪我のせいで(練習を)無理に始めるわけにはいかなかったので、9月というゆっくりしたスタートになりましたし、晩秋まで3Fはまったく練習できませんでした。(今は)プログラムに(3Fを)戻しましたが、長い時間がかかりましたね。(怪我は)痛む日もあれば、それほどではない日もあるので、本当に注意深く見守っていかなくてはなりません。」 (佐藤)コーチはSPにメンデルスゾーンの「無言歌集」を、そしてFSには「マイ・フェア・レディ」のモダン・アレンジを選んだ。 「何か楽しいものがやりたかったんです。」佐藤は言った。「彼女は若くて - 純粋で、才能があります。私は若いスケーターたちをどう教育するかということをいつも考えています。完璧な振付を与えるだけではなく、将来へ続く道を拓き、そのプロセスを通してさらに先へ進んでいけるようにする。それが私が遥に対してやっていることなんです。」 「基本的なスケーティング・スキルをもう少し教えたいですね。」彼女は続けた。「それがSPの基本的な構想です。そのために少しゆっくりした曲を選びました。FSでは彼女にもう少し表現することについて教えたかった - プログラムを通して感じた音楽や、リズムとその変化なんかを(表現することを)ね。」 今井はスケート・アメリカ4位という成績でシーズンをスタートさせた。 「複雑な気持ちでした。あまりうまく滑れなかったから」と彼女は言う。 GPS2戦目のロシア杯では6位だったが、試合のレベルは(スケートアメリカより)高かった。現在までに彼女は2010年の四大陸選手権に出場し、堅実な演技で5位となっている。2009年にはジュニア・ワールドに1度だけ出場したが、この時は16位と残念な結果に終わっている。 (今季の)全日本選手権では4位と、昨年の12位から大きく躍進した。 「全日本でとてもいい演技ができてうれしかったです。」と彼女は言う。「演技の前には、昨年の全日本でうまく滑れなかったことがよみがえってきてすごく緊張しました。でも、自分を信じていい演技ができたんです。」 佐藤も同意した。 「遥は全日本でとてもよくやったと思います。」とコーチは言った。「接戦での4位でしたが、(あのときの)彼女のスケートには今も感銘を受けていますし、とても誇らしく思っています。」 今井がスケートを始めたのは、いとことリンクに行ったのがきっかけで、9歳とやや遅かった。 「ジャンプはすぐに好きになりました。」と当時を振り返った。「ワルツ・ジャンプは(すぐ)できましたけど、初めてアクセルを降りたのは1年後でした。」 彼女はスポーツにおいてあこがれるアイドルはいないという。彼女の両親はフィギュアスケートとはまったく縁がなく、高校時代にはテニスをしていたそうだ。 18歳の彼女は好きなエレメントとしてスピンを挙げた。 「ドーナツスピンからビールマン・ポジションに入るのが好きです。」と彼女は言う。「ジャンプは弱いかな。とくに緊張した時は。緊張しすぎるとジャンプをコントロールできなくなるし。でも、ジャンプは好きです。」 今井の性格の顕著な特徴として、前向きな考え方をすることが挙げられるだろう。 「私は落ち込んでもすぐ立ち直れるんです。」と彼女は言った。 佐藤は彼女のことを特別な人だと語る。 「彼女はすごく面白い、ユニークな人です。自分の小さな世界の中で生きていて、夢を見ているような所があります。なんて表現したらいいのかわからないけど、彼女について話すときはつい笑顔になってしまいますね。彼女には独特の味があるんです。人生を謳歌している幸せな子ですね。いろんなことにとらわれないのが彼女のいいところです。」 (佐藤)コーチは、今井にはスポーツで成功するために必要なものがすべて備わっていると信じている。 「間違いなく彼女は必要なすべての能力を持っています - ジャンプ、スピン、スケーティング・スキル。まだまだ改善の余地がありますが、(そのための)能力と才能を備えています。それに話をすれば、我々が彼女に何を言おうとしているのかを(正しく)理解してくれます。ですからあとは時間と、練習と、教育方法の問題だと思っています。彼女が我々が望んでいるようなすばらしいアスリート、競技者の一人になれることを願っています。」 今井は今週の2012年四大陸選手権にチームメートの浅田真央、村上佳菜子とともに出場する。 「遥はまだ怪我の養生につとめている状態ですので、100%の力を発揮するほど無理をさせることはできませんが、ジャンプのスキルや基本的なスケーティング・スキルなどの細かい点を修正しています。」と佐藤は教えてくれた。「四大陸でその成果が見られるといいのですが。」 「四大陸では自分のベストの演技をすることに集中したいと思います。」今井は言った。