一応、自動車評論家 国沢光宏氏 のコメントをのせておくけど 信じる信じないは個人の自由だから。 2016年8月26日、6時前にポルシェ・マカンに乗り家を出てエンジン誌の撮影&試乗。ジツは前日に別件でマカンと全く同じ価格帯のレクサスRXのハンドルを握ったのだけれど、あまりの違いに愕然としてしまいました。てんで話になっていない。少しでもクルマの評価を出来る人なら0,1秒も迷わないだろうし、相当ニブい人であっても明確な差を感じるかと。 ちなみにマカンの2リッター4気筒ターボ車は252馬力で685万円。RXの同238馬力621万円と価格的にはイーブン。価格が200万円違えば別のクラスのクルマとして評価するけれど、納得出来る範囲内です。いや、リセールバリューを考えると、マカンの方が50万円以上良いことは間違いなし(実際、直近の中古車相場を調べて見たら50万円以上違う)。 RXの決定的な問題点は、トヨタ車と全く同じステアリングギアボックスとダンパー、シートを使っていることだと思う。クルマで最も大切なのは、ゼロ荷重から動き始めるときの特性。ポルシェが使っているステアリングギアボックスやダンパーは素晴らしく精度が出ており、少し誇張して書けばゼロ荷重状態無し。お金掛けるとコロにキッチリ掛けている。 エンジンなどは精度のカタマリみないなもの。バランスよく回るマカンのエンジン、マウントでごまかす必要もありません。一方レクサスのビジネススタイル見ると、ハードでなくソフト重視。モリゾウさんの言う「もっと良いクルマ」など目指しておらず。ブランドの根っ子を考えていない。だからこそニュル通いしても、肝心となるドイツの販売台数は172台だ(今年7月の数字)。 ドイツの厳しい目を持った顧客には全く評価して貰えないのである。レクサスと、同じクラスのライバル車を乗り比べたら誰だって迷わない。レクサスが「トヨタ車より高価な分」をステアリングギアボックスやダンパー、エンジン、シートなどにつぎ込めば、その時は「もっと良いクルマ」になることだろう。私がレクサスをホメるようになる日は来るだろうか? RXに限らずレクサス全てが同じ傾向。日本にはお金あっても日本車にしか乗れない人達がいるため(地方の名士など。輸入車乗ってると世間の目が厳しい)レクサスはソコソコの需要あるけれど、自由なクルマ選びを出来るならお話になりません。「だからポルシェが良い」と言いたいのでは無い。日本で乗るならアウトランダーPHEVだってマカンに楽しさで負けてないです。 レクサスLXというランクル200ベースのSUVを1100万円で売っている。普通、このカテゴリーのSUVに搭載されているのは、乗用車用のパワーユニット。なのにLXのエンジンは『タンドラ』というトヨタのアメリカ向けトラックに搭載されている5,7LのV8。商用車用のエンジンなのだった。 タンドラに搭載されるエンジンとして評価すれば、信頼性高く素晴らしい。トヨタブランドで使うのであれば、むしろ高く評価出来る。ランクル200用のパワーユニットだったらモンク無し。されどレクサスに搭載するには厳しい。Dレンジをセレクトしてアクセル踏んだ瞬間から魅力的な価格で買えるタンドラですから。足回りだってランクル200とまったく同じ。 この傾向、全てのレクサスに当てはまる。GS350に搭載されているエンジンは、クラウンやマークXに搭載されてるV6と同じ。いや、GSの場合、キックダウンレスポンスが超遅い旧式の8速ATを使っているため、ドライバビリティで負けてます。さらにダンパーは以前より若干良くなったものの渋い。ザックスを使うドイツ勢と乗り比べたら、誰だって厳しさが解る。 特に少し大きめの突起を越えた時に入ってくる入力は、普通の日本車と全く同じなのだった。もっと酷いのがステアリングギアボックス。澄んだ味を出そうとすれば、ラックを左右から押さえ込んで遊びを取りたいところながら、レクサスは普通のラック&ピニオンです。このあたりの手抜き、ボンネットの抑えが一カ所しかないのを見ても解る。明らかなコストダウン。 インテリアなどの見栄えはお金と手間を掛けているようだ。この10年で一番進化した点が、インテリアの質感だと思う。こちらはトヨタと共用しなくてよい部品のため、独自設計できるんだろう。クルマにあまり興味ない人なら、お化粧したインテリアに満足するかもしれない。結果、ベンツやBMWより圧倒的に安いコストでクルマが作れるという寸法。 浮いたコストでブランド作りをする。というか「差別」の使い方が素晴らしい。レクサスを買ってくれるお客様は神様。それ意外は関係無し。中古車で買った人など論外。お客からすれば悪くない。あしらわれている客をみたら快感でしょう。メディアも上手に使う。狙ったメディアにはキチンと対応し、それ以外ケン&ホロ。厚遇されたメディアとしちゃ思いっきりヨイショしたくなる。 アメリカで売れる理由は「ブランドイメージ高い割りに低姿勢だし信頼性が高いから」。確かにレクサスと同じ価格帯のベンツやBMWを買おうとしているお客への対応はイマイチ。ヴィトンでサイフか小さいバッグしか買わない客と同じ扱いなのだった。レクサスならESやRXといった安い価格帯の車種でも、高額のベンツやBMWのお客と同じ扱いをしてくれる。 ただこのビジネスモデルは、現代自動車が『ジェネシス』で切り込んでくると厳しい。レクサスより一段と低姿勢の顧客対応ですから。一方、クルマのハード面はドイツに代表されるヨーロッパでさっぱり売れないのを見て解る通り、全く評価されていない。このあたり、モリゾウさんの「もっと良いクルマを!」というかけ声が危機感の裏返しだと考えます。