元中日の空谷泰投手を知ってますか? 1957年 ペナント・レースもいよいよ後半戦へ入った。セは中日が、パは南海がそれぞ

元中日の空谷泰投手を知ってますか? 1957年  ペナント・レースもいよいよ後半戦へ入った。セは中日が、パは南海がそれぞ

元中日の空谷泰投手を知ってますか? 1957年 ペナント・レースもいよいよ後半戦へ入った。セは中日が、パは南海がそれぞれ首位を保ったままだが、中日は頼む杉下が悪く、スタートは伊奈で、伊奈が倒れると中山と、勝つのが不思議なくらいの投手陣だった。それも後半戦に入り、杉下が徐々に復調し、中山、伊奈も落ち着いた成績を残すようになった。あと一人の完投投手がそろえば、中日の優勝も夢ではなくなるだろう。そこで「立上りが悪い」といわれる空谷の調子はどうか。対阪神十四回戦が雨で流された十七日、大阪市堂島ホテルに空谷投手をたずねてみた。 ー右ヒジはもう痛みがなくなったか。 六月末から痛みはとれた。毎シーズンこうだから自分ではいまでも気にとめていない。昨年もそうだし、七月ごろからシーズン末までいくら投げてもなんともない。 ー今シーズンで四年目だが、調子はいちばんいいのではないか。昨年が記録的にも肉体的にも過去三年間でいちばんよかったと思う。今年は昨シーズンと同じくらいのコンディション(五尺八寸、十八貫五百)はいいが、十一日までで五敗(四勝)しているからね。これからあまり負けられない。 ーそれでは昨年(十一勝五敗)以上の成績をおさめる自信は? 十一勝以上の勝ち星を残さなければ進歩のあとは全然ないわけだ。その意味でできるだけよくばりたい。 ー進歩したと思うところは? いままで速い球をぽんぽん投げこんでおいてドロップで勝負したところがドロップで勝負するのはいいが、コースなど頭から考えたこともあった。とにかくホーム・プレートを通過しさえすれば打たれてもぼくは満足したものだ。今年は考えるだけの余裕ができたそれだけ2-0後の球が投げにくくなった。野球がわかりかけるとほんとうにむずかしい。 ーウィニング・ショットにしている球は? 打たれない球?それがあれば苦労はないよ。それでも昨年は内角へシュートがよくきまった。ほとんど打たれた記憶はないが今年はまだそれが出てこない。カウントをかせぐにはもってこいの球だった。 ーいやな打者は? どのコースでも打ち分けるシャープな打者。これがいちばんしまつに悪い。投手ならだれもがそうだろうが、これでせいいっぱいという速球を故意にファウルでもされると、どうにでもなれとついステバチな気になる。これがぼくの短所だ。川上さん、与那嶺さんなんかもっともいやなバッターだ。

空谷(旧姓・児玉)と言えばドラフト制度前に各球団により空前の獲得合戦があまりに有名ですね。

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元中日の空谷泰投手を知ってますか? 1957年  ペナント・レースもいよいよ後半戦へ入った。セは中日が、パは南海がそれぞ

元中日の空谷泰投手を知ってますか? 1957年 ペナント・レースもいよいよ後半戦へ入った。セは中日が、パは南海がそれぞれ首位を保ったままだが、中日は頼む杉下が悪く、スタートは伊奈で、伊奈が倒れると中山と、勝つのが不思議なくらいの投手陣だった。それも後半戦に入り、杉下が徐々に復調し、中山、伊奈も落ち着いた成績を残すようになった。あと一人の完投投手がそろえば、中日の優勝も夢ではなくなるだろう。そこで「立上りが悪い」といわれる空谷の調子はどうか。対阪神十四回戦が雨で流された十七日、大阪市堂島ホテルに空谷投手をたずねてみた。 ー右ヒジはもう痛みがなくなったか。 六月末から痛みはとれた。毎シーズンこうだから自分ではいまでも気にとめていない。昨年もそうだし、七月ごろからシーズン末までいくら投げてもなんともない。 ー今シーズンで四年目だが、調子はいちばんいいのではないか。昨年が記録的にも肉体的にも過去三年間でいちばんよかったと思う。今年は昨シーズンと同じくらいのコンディション(五尺八寸、十八貫五百)はいいが、十一日までで五敗(四勝)しているからね。これからあまり負けられない。 ーそれでは昨年(十一勝五敗)以上の成績をおさめる自信は? 十一勝以上の勝ち星を残さなければ進歩のあとは全然ないわけだ。その意味でできるだけよくばりたい。 ー進歩したと思うところは? いままで速い球をぽんぽん投げこんでおいてドロップで勝負したところがドロップで勝負するのはいいが、コースなど頭から考えたこともあった。とにかくホーム・プレートを通過しさえすれば打たれてもぼくは満足したものだ。今年は考えるだけの余裕ができたそれだけ2-0後の球が投げにくくなった。野球がわかりかけるとほんとうにむずかしい。 ーウィニング・ショットにしている球は? 打たれない球?それがあれば苦労はないよ。それでも昨年は内角へシュートがよくきまった。ほとんど打たれた記憶はないが今年はまだそれが出てこない。カウントをかせぐにはもってこいの球だった。 ーいやな打者は? どのコースでも打ち分けるシャープな打者。これがいちばんしまつに悪い。投手ならだれもがそうだろうが、これでせいいっぱいという速球を故意にファウルでもされると、どうにでもなれとついステバチな気になる。これがぼくの短所だ。川上さん、与那嶺さんなんかもっともいやなバッターだ。

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