元大毎のディサ投手を知ってますか? 1961年 このところディサの登板回数は多い。「ディサの出て来るのを待つのではなく、早く一人前に育てる」と宇野監督の方針が変わったためだ。これは大毎の投手事情にもよる。大毎投手陣はエース小野が不安定なうえに、若生、中西、西田、三平と働かなければならない投手連に迫力が見られず、四苦八苦している状態。「ディサと杉下は夏場のつなぎにでもなれば・・・」といっていたキャンプ中の甘い考えを改めなければならないところまで追いつめられたからだ。ディサが名を知られるようになったのは、一昨年卒業した日本の高校選抜チームを破ってから、ハワイ高校選抜チームの投手だったディサは、日本チームを五安打の一点に押え2-1で勝った。同行した朝日新聞の好村記者は「球がものすごく速く、一点を取るのがやっとだった」と感心していた。昨年高林(巨人、当時熊谷組)らのノンプロ選抜チームが、ハワイへ行った時も、ディサにひねられ「ハワイに好投手あり」と宣伝された。このためディサは引っぱりだこ。アメリカ大リーグのプレーブス、ジャイアンツなど四チーム。日本の大毎、南海、東映、中日などが猛暑な引き抜き合戦をやった。ディサの魅力は、その快速球だろう。打者と真っ向から勝負する投球は、いかにも若さにあふれていて気持がいい。ただ難点はコントロール。出来、不出来の差が極端に激しい。六月五日、後楽園での東映戦には、三回投げて、東映の猛打をあびてノック・アウトされたが、十五日駒沢の同じ東映戦では、コントロールも良く完投勝利を記録したのが、そのいい例。田中コーチも「コントロールにまだまだ研究の余地がある。このためチェンジ・アップ、シュート、カーブなどいいものを持っていながら投げられない。コントロールさえつけば、もっともっといい投球をすると思う」といっていた。ディサが未完の大器で終わってしまうかどうか、それはコントロールをつけることが出来るかいなかにかかっている。しかし最近は、ぼつぼつコントロールも良くなりつつあるようだ。宇野監督は「コントロールが悪いというけれど、このごろは以前のような荒れ方はしない。だから荒れると思って待っているとストライクを取られる。これからは威力を発揮するよ。大毎追い込み戦になくてはならない投手だ。パの新人王候補だ」と高く実力を評価している。性質はいたっておとなしく、明朗。ただ、やや気の弱い面もある。去る五日、東映にノック・アウトされた時、ダッグアウトのスミで、しばらくの間泣きじゃくり、なかなか着がえにゆかなかったそうだ。「何分にもいなか着でして」と田中コーチはいっていたが、一度や二度のノック・アウトにへこたれない強さが欲しい。趣味は映画と漫画本を読むこと。目下、日本語の勉強に大わらわ。言葉が出来ないと、捕手やその他の選手との連絡がうまくいかず、つまらぬ点をやってしまうことがある。これが一番身にこたえるらしい。田宮、荒巻といった先輩が、なるべく日本語でしゃべるようにと注意してやっている。二十三日現在、十四試合に出場、三勝四敗、防御率3・63はちょっともの足りない。二十歳。 ディサ投手の話 日本の打者はみんなこわい。少し調子が悪いとすぐ打たれてしまう。これからはコントロールを身につけて、球をコーナーい散らして行きたい。それと言葉が大事だと思う。バッテリー間のサインにしても、言葉が出来ないと、なかなか思うようにならない。何勝などは考えていない。ただ全力を尽くすだけ。 東映毒島選手の話 球はたしかに早い。しかしコントロールに難点がある。ウチとやっただけでも、いい時と悪い時がはっきりしている。コントロールさえつけば、立派な投手になるだろう。直球のほか、時折り投げるカーブにも威力があるようだ。