フォルクスワーゲンがアメリカでは、「実用性と合理性の権化」だという印象は未だにあるのでしょうか? 昔から欧州メーカーがアメリカ進出する際には、本国メーカーのディーラーを一軒一軒口説き落として鞍替えさせたり、サブディーラーを展開するといったカタチで徐々に食い込もうというのが常識だったようです。
しかしVWはそんな日和見的なやり方はしなかったそうです。
セールスマン・メカニックの候補達を全員カンヅメにして徹底的に教育したあと、一気に攻勢を掛けるというやり方を選びました。
デカくて楽チンってだけのアメ車を、気分で売ってたような本国メーカーのディーラーは、それらと比較すればまるでオモチャのようなフォルクスワーゲン・1200(ビートル)の軽微な整備にも手を焼いたそうです。
基本(考え方・造り方)が全く違うから。
あと自動車は「安く売って・壊れたらしっかりと直す」という当たり前のことを、何処よりも速く丁寧に対応することを求められたそうです。
華があって高価な1台を売るよりも、実用的で安価な10台とかを売る事を大事にし、もし壊れても「乗り換えますか?!」ではなく「何時まで直して乗れますよ!」と言うその姿勢の違いもあったんでしょう。
そういったクルマが欲しい!と思う人は、アメリカにも大勢おられるようですから、そういった方々にそっぽ向かれないようなクルマ造り(販売するクルマの展開)が出来ていれば、赤点とはいかなくても及第点より上くらいで、別に今すぐどうこうしなといけないといった事はないんでしょうね。