二人の点数の差は難度ではなく、ジャンプの質の差が大きいです。
当時のルールは3Aの基礎点は今よりも低く、他の3回転や2Aの加点幅は基礎点が無意味になるほど大きく、回転不足での減点も今より大きかった。
この全てがキム選手の得点が伸び、浅田選手の得点が伸びない方向に作用しました。
浅田選手の3Aはインパクトはあるものの点数的にはさほど大きくなく、さらにルッツとサルコーを外していたので基礎点は以外に低く、ジャンプの流れが止まりがちなので加点が少ない。
ルッツはアクセルの次に点数の高いジャンプなので、これを正しく跳べないのは浅田選手の弱点です。
3Lz二回入れて加点の取れる選手に対しては、彼女の3Aの優位は帳消しになってしまいます。
ジャンプの流れとスピードが足りない、使えるジャンプの種類が少ないという欠点を自覚していたからこそ、バンクーバー後に真央さんはジャンプ修正に取り組んだのだと思います。
また、ステップやスパイラルの表現、スピンのポジション、フットワークの多彩さなど、浅田選手の優れて魅力的な部分は多いです。
でも点数にはなりにくい部分です。
キム選手はスピードと流れのある大きなジャンプで、ジャンプ前の構えの時間も短く「ルールに従えばどの審判も加点せざるをえない」ような対策をしてきました。
それを五輪の大舞台でミスなくやってのけたのだから見事なものです。
技術的に欠点が少ないキム選手はどんなルールにも対応しやすい。
他の選手にできない技ができる一方で欠点もある浅田選手は、ルール違反になりやすい。
バンクーバー後にどなたかスケート関係者のコメントで「審判はクリーンで質の高いものが見たいのです」というものがありました。
それをキム選手の陣営はよく理解して実行しました。
両者ノーミスでも、ヨナさんと真央さんの点差は10点以上つきそうなので、そうなると真央の点数が低すぎると感じる人は出てくるでしょうね。
というか、浅田選手がノーミスでキム選手がフリーで二回転倒しても、ショートとの合計でキム選手の優勝だった可能性が高いので、その場合はさすがにブーイングになりそう。
とはいえ採点競技の実力は、その時のルールに沿って試合で出来たことが全てです。
ヨナさんはとても強かったと思います。
しかしオリンピックで3A三回成功の記録を作った真央さんも、立派な戦いぶりだったと思います。